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民医連新聞

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副作用モニター情報〈545〉 ルビプロストンカプセルの副作用

 ルビプロストンカプセル(商品名:アミティーザカプセルR)は、2012年に発売された慢性便秘症治療薬です。従来の塩類下剤や大腸刺激性下剤と異なる作用機序を持ち、最近では使用機会も増えています。それに伴って副作用モニターへの報告も増えており、これまでに全日本民医連副作用報告でも26例が寄せられ、下痢(7例)、悪心(7例)、嘔気(4例)などが多くなっています。今回はそのひとつを紹介します。

症例) 60代、男性。腎機能障害などはなし。慢性便秘症の治療にてルビプロストン24μg、1Cap、1日1回寝る前で処方。処方されたその日の晩に服用すると、20分後に頭がフラフラし、30分後には水様便が10回あった。服用を中止し、脱水症状予防のため水分補給を続けることで、翌日には症状は改善した。
 ルビプロストンはクロライドチャネルに作用し、これを活性化することで腸管内への水分分泌を促進します。便の状態を軟らかくして、腸管内の輸送を高め、排便を促します。また、腸液の分泌を促進する作用なども表し、腸粘膜バリアに対する修復作用を持ちます。
 その効果の発現幅は広く、24μgの単回投与でTmax(最高血中濃度到達時間)は22~94分、T1/2(半減期)は30~235分となっており、個人差が大きくなっています。
 後に発売された12μg製剤は高齢者などが長期で服用する場合に用量選択の幅を持たせるため、とされていますが、ルビプロストンは効果も副作用も用量依存的に増加すると報告されています。副作用を防止するためには12μg製剤から開始する方が賢明かもしれません。また、副作用の発現頻度は食後の内服に比べ、食前の内服の方が高くなっています。食後の服用により吐き気などの副作用軽減ができる、という指導も必要と考えられます。

(民医連新聞 第1726号 2020年11月16日)

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