リレートーク 私と被爆75年(8) 知る、学ぶ、感じる、動かす 福井民医連事務 畑中康史さん
今年は被爆75年。反核・平和運動を行う全国の仲間にとりくみや思いを聞きました。核兵器のない世界をつくるために私たちにできることは?
私は入職するまで平和や運動に対して関心がありませんでした。しかし、民医連に入職してから身近に政治や情勢と向き合う機会が多いことに気づき、民医連の活動を通して経験し、学び得ることが日々あると実感しています。今年の夏は、Zoomを活用して、戦争体験者(92歳・女性)と医学部の奨学生をつなぎ、戦争体験を聞くことができました。年々語れる人が減っているので、大変貴重な時間でした。
私の転機は2回あります。ひとつは東日本大震災での宮城・坂総合病院への支援活動。もうひとつは第4期全日本民医連平和学校です。ここでは、平和学校についてお話しします。
韓国でのフィールドワークの時、元従軍慰安婦の人から日本軍や戦争の話を聞き、西大門刑務所歴史館(元は日本軍がつくった京城監獄)の見学など、初めて海外からみる日本について自分の目で見て、肌で感じ、学べるきっかけになりました。医学対としてこの経験を生かし、東海・北陸地協のつどいで平和学習を提案し、奨学生と韓国に行きました(2014年)。奨学生と学び合い、平和と人権に重きを置いた学習ができたと実感しています。
現在、コロナ禍で活動をする機会が少なくなりましたが、全日本民医連平和学校、災害支援、フィールドワークなど、自分の目で見て、肌で感じ、学べる機会がたくさんあります。草の根の運動は地域から始まり、全国へと民医連の輪(運動)がつながり、大きな役割を果たしていると感じます。参加後の報告会を考えると緊張したり、評価が気になるかもしれません。しかし、現地の様子や住民の声を届け、現状を知ってもらい、自分たちに何ができるのか考える場、次の世代に運動をつなげる場となります。また、自分の思考をあらためて見つめ直す機会にもなります。
これからも新たな視点に気づき、民医連運動に興味を持ってくれる奨学生とともに、平和・人権問題とこれからの課題を考えていきたいです。
核兵器のない世界をつくるために自分がとりくめること
・毎年行われている核兵器廃絶の署名活動にとりくむこと
・広島・長崎の原水爆禁止世界大会に参加すること
・平和の学習を続けること
(民医連新聞 第1725号 2020年11月2日)