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民医連新聞

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副作用モニター情報〈543〉 ナフトピジル錠による色視症について

 前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬ナフトピジル錠は、α1受容体遮断作用による、めまい、立ちくらみ、低血圧の副作用が知られています。このほど、色視症の副作用が報告されたので、紹介します。
症例) 80代男性。前立腺肥大症でハルナールR服用も、症状改善せず、ナフトピジルOD錠25mg「タカタ」に変更。正午ごろ服用。午前0時に目が覚めたら、目の前が真っ赤だった。その後も何度か起きたときに症状があったが、朝方には症状は治まっていた。次の日も昼に服用。夜に同様の症状があったが、2~3時間で治まった。
 2日間服用後、医師の指示により、ナフトピジルOD錠を中止しハルナールRに変更。ナフトピジルOD錠中止後、色視症の発現なし。

* * *

 色視症とは、物に色がついて見えてしまう症状で、赤視症、黄視症、緑視症、青視症があります。色視症は後天的色覚障害で、白内障の手術後や精神的な要因で発症することがあり、薬の副作用も原因のひとつです。この副作用が発現した場合は、症状の程度に応じて薬剤の投与中止を考慮する、とされています。
 ナフトピジル錠による色視症の発現頻度、発現機序は不明です。ナフトピジル錠による色視症は、少数ですが国内で報告があり、添付文書に記載されています。しかし、同効薬の他のα1遮断薬には記載がありません。
 薬の副作用による色視症の発現は、原因薬剤服用後、1~2日で発現することが多いようです。ナフトピジル錠投与開始時には、患者への情報提供が必要と考えられます。

(民医連新聞 第1724号 2020年10月19日)

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