リレートーク 私と被爆75年(6) 署名活動で平和と憲法を守る 千葉・健生病院 介護福祉士 野島 友介さん
今年は被爆75年。反核・平和運動を行う全国の仲間にとりくみや思いを聞きました。核兵器のない世界をつくるために私たちにできることは?
今年4月、ニューヨークで行われる予定だったNPT再検討会議は、コロナ禍の影響で残念ながら行くことが叶わなくなりました。
私が初めて平和について考えたのは、小学生の時に親と広島に行き、原爆資料館でドロドロになった被爆再現人形を見て「またいつか原爆が自分たちの街に落ちるのではないか」「自分も一瞬で死んでしまうのではないか」との考えが頭から離れず、夜眠れなくなったことが最初だったと思います。子どもながらに原爆の恐怖が心に植えつけられました。その後、『はだしのゲン』や『火垂るの墓』を見たり、両親や祖父母の戦争体験を聞いたりするうちに、平和に対しての気持ちは強くなっていきました。
結婚し、子どもができてその思いはさらに強くなりました。戦争で家族を失うことを想像しただけで身体が震えます。そんな中、自分に何ができるだろうと考え、署名活動を行いました。
病棟での署名活動は、普段は署名することをためらう職員も「あなたが行くなら」と書いてくれる人が多数いました。診療所で行った署名活動では、友の会の人といっしょに署名を集めました。その際「私も核兵器は反対なんですよ~。こんな本も読んでるんです。あなたもがんばってね」と原爆の本を見せてくれる人もいました。勇気をもらった瞬間でした。また、ある人は「原子力発電には賛成だけど、核兵器には反対だ!」と言い、ビックリしました。私は、核はすべていっしょだと考えていたので、さまざまな考え方があると感じました。
いま、日本は少しずつ戦前の状態に近づいていると聞きます。歴史を学習してなぜ日本が戦争するに至ったのかを考えなければいけないと思います。そして、日本国憲法を守るために今後も活動していきたいです。
(民医連新聞 第1721号 2020年9月7日)