介護報酬「引き上げ特例」 利用者負担分を補てん 長野県飯田市で実現
厚生労働省が6月、新型コロナウイルス感染症の影響で介護報酬が減少する介護保険の通所系事業所の報酬算定を引き上げる特例の事務連絡(6月1日)を都道府県に出した問題。長野県飯田市は、特例によって利用者の利用料が増えた分(上乗せ分)について、市が補てんすることを決めました。8月4日の臨時市議会で承認されました。
この問題で長野県民医連飯伊地域連絡会(飯伊民医連)は7月、飯田市長に「利用者への負担増が生じない措置を」と要望。対応した市の長寿支援課の担当者は「同じ介護サービスなのに料金が上がるのは詐欺行為だと利用者からも苦情がきている。市として何かできないか検討する」と回答していました。
飯田市にある健和会の介護事業部長・吉川一実さんは、「新型コロナで介護事業所は経営的に本当に苦しい。が、そのために利用者にさらなる負担を負わせていいのかと、多くの事業所が苦悩している。市が利用者と事業所の声を受け止めてくれた結果だ」と話します。対象期間は7月~来年3月までで、予算は月900万円、総額8100万円です。
吉川さんらは近隣自治体にも同様の内容を要請。「飯田市の動向を注視」と回答した自治体もあり、「中核市の飯田市で実現できた意義は大きい」と話しています。
(民医連新聞 第1720号 2020年8月17日)
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