コロナ陽性患者の対応 看護現場での実践を交流 全日本民医連看護理事会議
全日本民医連看護理事会議は、5月から、新型コロナウイルス感染症対策や職員の健康管理(働き方やメンタルヘルス)について情報交換・相互相談のための看護部長メーリングリストの運用を開始しました。登録者数は、41県連69病院78人(7月現在)です。
登録者を対象に、看護管理者WEBシンポジウムを、第1回(6月30日)、第2回(7月9日)と開催、のべ116人が参加しました。
シンポジストは、(1)京都民医連中央病院の坂田薫さん、(2)徳島健生病院の野上由起子さん、(3)埼玉協同病院の見川葉子さん、(4)北海道・勤医協中央病院の折出洋子さん、(5)立川相互病院の中村美佐子さんら各病院の看護部長です。主な報告は、陽性者の受け入れ病棟の立ち上げと組織的な意思決定、感染対策の実践経過、院内周知の工夫、「正しく恐れ、正しく対応する」確かな知識と技術の習得、ゾーニングやハード面の整備について。
新型コロナウイルス感染症をめぐり職員に対する偏見や風評被害について、管理部が職員を守ることを第一に考え、先頭に立ち地域に出向き説明、理解を広げる行動をしました。特に職員のささえになったのは、ピアサポート(全国・共同組織からのメッセージ、職場の仲間との互いの力を信じ、相手を尊重した語り合い)でした。患者を「断らない」「どうしたら受け入れられるか」を追求し続けた実践を通し、全職員が一致団結してのとりくみなどが報告され、交流しました。
参加者からは、「たくましく苦境を乗り越えた看護集団の知見の数々をタイムリーに知ることができ、心を打たれた」などの感想が出されました。
今回、WEBでつながれたのも新鮮で、 教訓を生かし県連、法人、事業所で実践する決意をかためる機会になりました。(全日本民医連理事 宮川喜与美)
考えられる感染経路について
・特に、気管挿管対応後のステート、血圧計、パルスオキシメーター駆血帯やバインダー、ワゴン、キーボードマウスなどの汚染
・体位変換、おむつ交換などスタッフとの接触が多かった
・職員の衣類、手を介して医療従事者への感染の可能性
・PPEの使用方法や手指衛生の問題
・特に休憩時間、マスクなしでの会話
・共有電子カルテの汚染
・ステーション内の汚染が考えられる
・マスクを触って手指衛生していないなど
(民医連新聞 第1719号 2020年8月3日)
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