リレートーク 私と被爆75年(5) 子どもたちと平和と戦争を考える 愛知・名南会事務 大森翔一郎さん
今年は被爆75年。反核・平和運動を行う全国の仲間にとりくみや思いを聞きました。核兵器のない世界をつくるために私たちにできることは?
私が平和運動にとりくむきっかけとなったのは、2018年の原水爆禁止世界大会に参加したことです。そして、「世界大会に行くから」という理由で参加したその年の平和行進が、私の初めての平和活動でした。それまでの私は、「原爆」「憲法9条」などは学校の授業で学んだだけで、歴史の1つとして知っている程度でした。そのくらいの気持ちで参加した平和行進は、愛知県豊橋市役所から蒲郡市役所までの約20kmの区間でした。
当日、自分より年齢が一回りも二回りも上の参加者のみなさんが、核兵器反対を叫びながら元気に行進しており、みんなが平和に対して受動的ではなく能動的で、自分たちの声で平和な世界にするという強い気持ちを感じました。
原水禁世界大会では3日間を通して、海外の人やお年寄りから小学生まで、平和に対する意識の強さにまたも驚かされました。碑巡りをしたり、資料館を見ているうちにショックを受けました。こんなことは経験したくない、と心の底から思いました。
その後、法人で学習支援をしている子どもたちに向けて、世界大会で見たことを伝え、いっしょに平和について考えるという時間を設けてもらいました。子どもたちはみんな、戦争や原爆、憲法のことについて、たくさんの意見を教えてくれました。
今年のNPT再検討会議への参加も予定していましたが、残念ながら延期によりニューヨークへの派遣はなくなりました。
はじめはぼんやりした気持ちでしたが、平和行進から始まりたくさんの運動に参加することで、自分も当事者になり、格段に意識が変わりました。さらにこのたび、法人の社保・平和委員会に加わることになりました。職員や地域のみなさんに、戦争について考えてもらえるように発信していきたいと思います。
(民医連新聞 第1719号 2020年8月3日)