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民医連新聞

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副作用モニター情報〈537〉 ヘパリン類似物質の接触性皮膚炎

 ヘパリン類似物質(商品名:ヒルドイドソフト軟膏など)は、血行の促進や皮膚の保湿剤として使用される外用剤です。その副作用の一つを紹介します。
症例)小児、女性。
 2年ほど前にヘパリン類似物質ローションで蕁麻疹が出た経験があり。その後中止していたが、診察の際にヘパリン類似物質の泡スプレーを使用し、蕁麻疹が出なかったため、ヘパリンによるアレルギーではないだろうと判断した。ヘパリン類似物質ローションを使用再開。3カ月ほど経った頃、ローション塗布時に蕁麻疹が出る症状が1週間ほど続き、ヘパリン類似物質製剤による接触性皮膚炎との診断を受けた。医師は、添加物のパラベンにアレルギーを起こしたものと推察した。

* * *

 パラベンとは、防腐剤として医薬品や化粧品、食品に幅広く使用されている化合物です。パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸プロピルという成分の総称です。特徴として広範囲の抗菌力をもっていること、少量でも有効であり持続力もあることなどから、使用される傾向にあるようです。パラベン自体の皮膚障害の副作用の割合は0.2~0.3%と言われており、危険な物質というわけではありませんが、薬の有効成分だけでなく添加物であるパラベンに対してアレルギーを起こすこともあるのです。
 全日本民医連副作用モニターにはヘパリン類似物質の副作用として5年間で8件が報告されています。内容は、接触性皮膚炎が2件、発疹発赤が3件、紫斑が1件、かぶれが1件、かゆみの悪化が1件でした。
 ヘパリン類似物質の接触性皮膚炎の副作用は、先発品メーカーの報告でソフト軟膏製剤140件、ローション製剤79件となっています。圧倒的な使用量の多さから考えると発生する割合は低いですが、幅広い年代、さまざまな病態の患者が使用するので一定の注意が必要です。

(民医連新聞 第1718号 2020年7月20日)

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