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民医連新聞

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自分たちの言葉でプレゼン 「この実践も綱領とつながっている」 福島・わたり福祉会

 2月15日、わたり福祉会は「第21回研究集会」を開催しました。集会の最後の発表は、社保・平和委員会による寸劇です。今年は『学習ブックレット』の学習をかねて、綱領について発表しました。発表に向けて練習するわたり福祉会を訪ねました。(代田夏未記者)

 2月1日、福島・飯坂温泉ケアセンター「はなゆまち」の2階に27人の社保・平和委員が集まりました。集まるのはこれが3回目。秋の介護ウエーブを皮切りに今年度の活動をスタートしました。

■社保・平和活動を身近に

 研究集会で寸劇を行うようになったのは2008年度。若い職員の「署名って何のためにやるの?」という疑問から、職員にわかりやすく社保活動の大切さを伝えるために、社保・平和委員会で寸劇を上演するようになりました。第1回は消費税の署名をテーマに「消費税増税で社会保障が守れるか」と題した寸劇に。そのほかに、憲法9条や沖縄、原発については3回発表しました。
 若い職員が寸劇を行うことで、「若手がこんなこと言ってるんだから事業所全体で社保運動をがんばろう!」と士気を上げることができました。「2月の研究集会で発表するので、3月1日のビキニデーの署名やカンパがたくさん集まります。原水爆禁止世界大会へも毎年送り出せています」と、わたりケアセンター「はなみずき」事務長の佐藤孝幸さんは言います。
 今回のテーマは“綱領”。いままでは情勢がテーマでしたが、『学習ブックレット』の読了がすすまず「綱領を身近に引き寄せられていないのでは?」「私たちの実践の根幹を学んでほしい」と声が上がり、綱領をテーマに決めました。「身近な職員がわかりやすく伝えることで、委員ではない職員も真摯に受け止められている」と社保・平和委員長で老健「はなひらの」事務長の遠藤絢一さん。「綱領を学んだことで、自分たちが意識していないところで、綱領とつながっていると実感している委員が多い」と話します。

■5つの目標と結びつけて

 今回はプレゼンテーションの形で発表。まずは民医連の歴史について。民医連のルーツから公害問題、薬害問題、被爆者医療、災害医療など、患者の立場に立った医療活動を社会的要因と合わせて考えました。次に綱領と自分たちの活動がどうかかわっているのか、実践やとりくみを「民医連の介護・福祉の理念」にある“5つの目標”と結びつけて紹介します。
 例えば、東日本大震災時の様子は、5つの目標の(1)無差別・平等の追求と結びつけました。震災当日、特養「はなしのぶ」は自主的に福祉避難所のような役割を担い、避難を希望する人を受け入れました。また、避難所になった高校ではお風呂に入ることが困難だったため、入浴を希望する人にケアハウスのお風呂を無料で開放しました。このとりくみも、すべての人の人権が等しく保障される社会をめざす、無差別・平等の福祉のひとつです。
 5つの目標の(2)個別性の追求では、それぞれの施設で個別性にこだわったとりくみをとりあげました。老健「はなひらの」では、利用者が在宅生活を送る上での課題やADLの状況、家屋状況、家族の思いを毎月の会議で共有しています。デイサービスでは興味関心シートを活用して、本人の好みに合わせたレクリエーションを個別に提供。利用者の満足度につながりました。
 プレゼンの最後はひとりずつ感想を発表し、プレゼンを締めます。ケアマネジャーの高橋一也さん(22年目)は「今までの研究集会では若手職員が難しい題材を演劇でわかりやすく発表していてすごいと思っていた。社保・平和委員になって若手職員とともに学べることが新鮮。私たちも綱領の実践ができていると感じ、継続していきたいと思った」と話します。調理職員の佐藤由奈さん(2年目)は「難しい内容もあるけれど、普段は聞けない話なのでいい機会になっている。震災でお風呂を開放した話は、今日初めて知った。避難所になった高校の出身なので身近に感じた」と話します。

* * *

 2月15日、わたり福祉会第21回研究集会には、184人の職員が参加し、綱領のプレゼンテーションは大成功。感想には「わたり福祉会のとりくみが民医連綱領にもとづいた活動なんだとあらためて学んだ」「民医連のめざす方向性がわかった」などの声が寄せられました。

(民医連新聞 第1717号 2020年7月6日)