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民医連新聞

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リレートーク 私と被爆75年(3) 今、私たちにできること 香川・高松協同病院 介護福祉士 多田新さん

 今年は被爆75年。反核・平和運動を行う全国の仲間にとりくみや思いを聞きました。核兵器のない世界をつくるために私たちにできることは?

 初めて平和活動に参加したのは、原水爆禁止世界大会でした。世界中からたくさんの人が集まり、原爆の恐ろしさや核廃絶を訴えていました。私は「世界中の人たちがこんなに核のことに真剣にとりくんでいるのに、被爆国である日本に住んでいる私は何も行動しないばかりか、何も知らなかった。知ろうともしなかった。知らないでは済まされない、無知は罪なのだ!」と思い、その日から平和活動にとりくむようになりました。平和行進や署名、学習会に参加してきました。しかし、平和活動が周りに根付くことは難しく、広がりもあまり感じられませんでした。自分だけがやっても何も変わらないのかと思っていましたが、2017年に全日本民医連の平和学校に参加し、全国の民医連の仲間の強い志や活動を聞き、「仲間がたくさんいるんだ!」と勇気づけられました。
 被爆から75年がたちますが、今も原爆の被害に苦しむ人はたくさんいます。被爆者から当時の体験を聞ける最後の世代が私たちです。被爆者の思いを伝え受け継いでいくことは今に生きる私たちの使命です。原爆の恐ろしさ、悲惨さを世界に発信しなければなりません。開催予定だったNPT再検討会議にあわせたニューヨーク世界大会は新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインで行われました。75年前には考えられなかったことだと思います。人類は進歩し、科学技術やさまざまな知恵、知識を手に入れました。核をつくったのは人間で、核を使うのも人間です。しかし核を止めることができるのも人間なのです。
 今、私たちにできることはたくさんあるわけじゃない。でも、できることを1つずつ、少しずつでもやっていけば、それはいつか大きなものになります。できないことを嘆くより、できることからやっていけばいい。少しずつでも続けていけば何かが見つかるかもしれない。それを大事にしましょう。

(民医連新聞 第1715号 2020年6月1日)