3日目 理事会報告 岸本啓介事務局長 憲法と人権を守りぬき医師確保、経営改善の課題を突破
新型コロナウイルスの感染が拡大しています。理事会として国に対して緊急に要請書を提出することにしました。会場の熊本城ホールから、検温を含めた感染対策に信頼の声が寄せられ、参考にしたいと申し出がありました。最後まで感染対策を適切に行うとともに、総会終了後は、危機管理体制となっている地域に一刻も早く戻り、地区医師会などと連絡を取り、地域の医療体制を確保しましょう。
本会議、分散会でのべ897人の発言がありました。議案を支持し、補強する立場からの発言でした。第43回運動方針にもとづいて、全国の事業所で格差と貧困に立ち向かい、すべての人の人権を守りぬこうと、奮闘している姿は確信になるものでした。
経済的な格差で治療を受けられないことはあってはならないと、子どもの歯列矯正治療に保険適用をとのお母さんの声を受け止め、運動にしてきた歯科の実践、大水害で診療所が水没するという困難に直面する中、医療・介護費の減免期限を通算2年間まで延長させた倉敷医療生協の仲間、外国人労働者の厳しい実態など多くの発言がありました。
長崎から辺野古支援連帯行動に参加した職員の「一番感じたのは怒り。基地があるということへの怒りだけでなく、自分が知らなかったことへの怒り。知ることの大切さを知った」との声が紹介されました。民医連は現場の事実から出発し、学ぶ組織です。高い倫理観と変革の視点を養う職員養成へ向けたヒントも語られました。
憲法を守りぬく、最大の問題は、「改憲発議」をさせないことです。民医連の目標、達成すべき時期について質問がありました。100万筆の反対署名を夏までにやりきることを補強していきたいと思います。
医師確保、経営改善の課題を突破しようとの提起も共通認識となったと思います。経営困難を克服した福島、大阪、香川などから発言がありました。共通するのは、方針案が提起した全国の教訓に集約されていることです。医師・経営の課題の突破に向け県連の今日的な機能を提起しました。
紹介業者の問題で、民医連でスケールメリットを生かしたとりくみができないかなどの意見も寄せられました。医師、看護師、薬剤師、介護職員などの絶対的な不足、紹介業者の多額な報酬に対して、他の医療団体と改善を求めるとともに、絶対的な不足の改善を求めていくものです。
介護職の記載をしてほしいとの意見が事前の県連討議を含めてありました。介護の事業、運動などの記載を整理し、介護職部会のとりくみなど発言のあった内容で補強します。
障がい者の記載、緩和ケアの交流会の実施、災害における避難行動要支援者登録制度の活用などの要望については、理事会として受け止め検討し、必要な補強を行います。
(民医連新聞 第1712号 2020年3月16日)