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民医連新聞

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副作用モニター情報〈532〉 セレコキシブによる 血糖値上昇

 鎮痛消炎剤セレコキシブ(製品名:セレコックス)による血糖値上昇の報告が寄せられました。
症例)60代前半、女性。1型糖尿病。自己血糖測定(SMBG)を行っている。併用薬は、ヒューマログミックス50注ミリオペン(朝7単位・昼7単位・夕14単位)、ロスバスタチン錠2.5mg、ビビアント錠20mg、エディロールカプセル0.75μg、ロキソプロフェンNaテープ100mg。
 セレコックス錠100mg2T/分2で服用開始。開始翌日の朝食前、昼食前の血糖値が200mg/dLを超えるようになる。開始3日目に整形外科を受診し、セレコックスによる血糖値上昇が疑われ、アセトアミノフェン錠300mg6T/分3に変更。その後、血糖値は高めの日もあるが、改善。この間の生活状況、食生活に大きな変化はなく、インスリンの使用状況の変化もなかった。
 セレコックス錠の正確な服用状況は不明ですが、服用開始後、血糖値は全体として高めとなっています。
 セレコキシブの承認審査までの国内臨床試験では、副作用に糖尿病患者の1例が確認され、添付文書に記載されています。米国の添付文書にも高血糖の記載があり、類薬のバルデコキシブと、そのプロドラッグのパレコキシブにも同様の記載があります。
 化学構造は、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)のほとんどが有するカルボキシル基の部分がセレコキシブとバルデコキシブ/パレコキシブだけスルホンアミド基に置き換わっているのが特徴で、血糖降下剤のスルホニルウレア剤や血糖を上昇させるジアゾキシドと共通の部分です。作用機序は不明とされていますが、血糖値に影響が出るのはこの化学構造が関与しているのかもしれません。

(民医連新聞 第1709号 2020年2月3日)

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