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民医連新聞

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フォーカス 私たちの実践 年間計画用紙の活用 石川・寺井病院 検査の年間計画で 患者の全身管理 外来患者の減少も防止

 患者の全身管理に欠かせないのが定期的な検査です。年間計画表を有効に活用することで、患者にとって計画的な検査を把握することができます。外来患者数が減少する中、検査件数を減らさないことで外来収益にもつながりました。第14回学術・運動交流集会で、石川・寺井病院の田中由里さん(看護師)が報告しました。

■患者自身に意識づけ

 当院では、慢性疾患患者の検査の実施状況が電子カルテシステムになり、検査年間計画をこれまで通りに行うのが困難な時期がありました。管理病名で年間検査項目を設定していましたが、診察場面で計画表を開き、説明し、予約を取る作業が大変で、計画的に実行することが複雑で、患者への検査の勧めもうまくできていませんでした。
 定期通院している患者の問診時に、看護師が「次回このような検査予定になっていますね」と声をかけて患者自身に意識づけしたのがきっかけで、電子カルテ内の年間計画表を活用することになりました。

■半年で目標達成

 検査の内容、費用、説明がわかる用紙を作成しました。疾患により、必要な検査が異なるので、年間計画表にはひとりひとりに必要な検査項目を登録しました。
 受診時にその患者に必要な検査を説明し、患者と相談しながら年間計画表を作成しました(左表)。計画を立てた患者の電子カルテには、「年間計画設定済み」と登録し、誰が見てもわかるようにしました。おすすめ件数の目標を年間400人とし、「年間計画用紙・検査説明用紙お渡し済み表」にチェックを入れ、把握できるようにしました。
 「年間計画用紙・検査説明用紙お渡し済み表」の累計件数は403件と、半年で目標に達成しました。説明を受けた患者は自分に必要な検査がわかり、かかる時間も考え計画も立てるので、次回の診察時に合わせて予約を取り、スムーズに検査を受けられるようになりました。その結果、1日の検査実績も伸び、月目標数を達成することも多くなりました。
 計画を立てて検査を勧め、年間計画用紙・検査説明用紙を渡すことで、患者から「そういえばしばらく検査を受けていなかった」「もっと早く教えてほしかった」という声を多く聞くことができました。
 年間計画表も同時に渡すことで、1年以上検査を受けていなかったことが一目でわかり、検査実施状況を把握できるようになりました。検査を勧めることを待っていた患者もいたので、計画的に予定を立てることできちんと検査を受けてもらうことができるようになりました。

■職員相互で情報共有

 検査目標や検査実施状況は外来運営会議に情報を集中しています。毎日の外来の朝会で検査予約状況、到達状況などを確認し、予約枠の空きがある際は検査の受け入れが可能か、情報を共有。その後、参加していない外来メンバーも含め、外来にかかわるメンバー全員に電子カルテメールで朝会の情報を共有しています。
 患者の全身管理をしていくと同時に、検査件数が増えたことから外来収益にもつながりました。

(民医連新聞 第1709号 2020年2月3日)