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民医連新聞

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介護保険にアクセスできない?! より良い介護を求めて 全国で介護ウェーブ

 11月11日は「介護の日」。厚生労働省は、来年の通常国会に介護保険制度の見直しを提出しようとしています。その内容を見ると、サービスの利用控えや重症化につながりかねないものばかり。こうした状況に警鐘を鳴らし、利用者も働く人も安心できる介護の実現を求めて、民医連の仲間が全国各地で声をあげました。

 厚労省の見直し案は、ケアプランの有料化、要介護1、2の生活援助サービスの市町村実施の総合事業への移行、所得基準見直しによる利用料2、3割負担の対象者拡大など。全日本民医連は12月5日、厚労省に要請しました。

■利用者第一の見直しを

 ケアプランが有料になれば、サービスを減らしたり、利用できない人も出かねません。全日本民医連理事の加藤久美さんは「ケアマネジャーは利用者の身近な相談相手。相談にお金をとれば、介護保険にアクセスすらできなくなる」と訴えました。全日本民医連事務局長の岸本啓介さんは「消費税増税で介護を良くすると言ったが、制度は悪くなるばかり。苦しい生活を強いられる高齢者が増えている」と批判しました。
 これに対し厚労省は「まだ決まっていない」「消費税は全世代で負担するもの。必要な人が使える介護保険になるよう、適切な判断をしていく」「給付や負担のバランスについての意見もある」と煮え切らない回答ばかり。
 全日本民医連事務局次長の林泰則さんは介護実態調査に寄せられた事例を紹介し、「現在でも利用料の負担が重く、必要なサービスを利用できないケースが後を絶たない。原則2割負担の案も出ているが、これ以上の負担増は『保険あって介護なし』をいっそう深刻化させる」と指摘。同時に、介護事業所で働く職員の処遇改善も訴えました。岸本さんは、「決まっていないからこそ、利用者を第一に考えた結論を出してほしい」と訴えました。(代田夏未記者)

「自分のおばあちゃんだったら…」
署名、宣伝など各地で

山形民医連

 当県連は11月10日午後、県連統一「介護の日」宣伝行動にとりくみました。県連内の各事業所から介護職員41人が酒田市に集まり、「ケアプラン有料化反対」「介護職員の処遇改善」と訴えながら、酒田駅周辺を約1時間行進しました。沿道から手を振る人もいて励まされました。その後の街頭署名行動では、介護保険改善を求める署名132筆を集めました。翌11日は、山形、酒田、鶴岡で各事業所がそれぞれ「介護の日」行動にとりくみました。(神田大輔、事務)

大分民医連

 11月17日、介護ウエーブにとりくみました。福岡・佐賀民医連事務局次長の川添大介さんを講師に、「どうなる?! 『利用できない利用させない介護保険』~私たちのたたかい~」がテーマ。介護職員など33人が参加しました。介護保険法施行から現在までの各種制度の改悪の内容など、わかりやすい講義でした。
 介護保険の抜本改善を求める宣伝行動では「今日の新聞で見た。どういうことか聞かせて」と興味を示す人、「自分のおばあちゃんだったら…」と署名する高校生も。22人が参加し88筆が集まりました。(佐藤充、介護福祉士)

兵庫民医連

 介護職委員会を中心に11月14日午後5時から、神戸三宮駅前で介護ウエーブにとりくみました。これに先立ち、全日本民医連介護職委員の今田健司さんを講師に、民医連の介護・福祉の理念と介護ウエーブについて学習し、宣伝行動につなげました。
 介護の思いを書いたティッシュの配布と署名の訴えを中心に、(1)介護職に対してのイメージ、(2)最期をどこで迎えたいか、の2点でシール投票も行いました。
 初参加のスタッフからも、「介護ウエーブにとりくむ意味が理解できた」「道ゆく人に声をかけられうれしかった」と感想が寄せられました。(中野啓民、事務)

(民医連新聞 第1706号 2019年12月16日)