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民医連新聞

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副作用モニター情報〈528〉 インフルエンザ治療薬バロキサビル(商品名:ゾフルーザ)による出血について

 1回投与で簡便なインフルエンザ治療薬として発売されたバロキサビルマルボキシル(商品名:ゾフルーザ)ですが、ワーファリンとの相互作用の出血に加えて、単独投与での出血があることもわかってきました。今回はそのような症例の紹介です。
症例)30代、女性
前日 夜間勤務中、鼻水が突如出始める(鼻血なし)。
当日 朝に37度台の微熱があり、仕事を休む。アセトアミノフェン400mgを服用。その後、熱は38.7度になり、近医に受診。その時の熱は39.3度であった。インフルエンザA型と診断され、バロキサビルマルボキシルを処方され、帰宅後に2錠内服した。夜間就寝中、腹痛で起き、トイレで改善。その時点で、熱は36.8度に下がる。
1日後 朝から平熱。
 (本人談)鼻血はいつから出たかは不明だが、毎日鼻を2~3回はかむ。その時に鼻水を出すというより毎回血を出しているような感じで驚いたのを覚えている。しかし、鼻血が垂れたことはなく、一時的なものだろうとあまり気にしていなかった。何週間も続いて心配になったが、鼻血(しかも垂れてこない程度)で受診するのも気が引け、日々の忙しさにそのままに。3月に入って花粉症で鼻をかんでも鼻血が出ないことに気づく。鼻をかんで鼻血が出た期間は2~3週間くらいだと思う(併用薬は、小青竜湯とオロパタジン、アセトアミノフェン)。

* * *

 添付文書の「重要な基本的注意」には、「([重要な基本的注意]として)出血があらわれることがあるので、患者及びその家族に以下を説明すること。1)血便、鼻出血、血尿等があらわれた場合には医師に連絡すること。2)投与数日後にもあらわれることがあること」が追記されています(2019年3月1日)。
 これからインフルエンザシーズンを迎えます。バロキサビルマルボキシルを服用する際には、出血の副作用があることに留意し、症状があった場合には医師に伝えてください。

(民医連新聞 第1703号 2019年11月4日)

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