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民医連新聞

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日本で働く外国人 ~SNS相談室から~ (15)医療・介護への外国人労働者 文・写真/榑松 佐一

 外国人労働者を受け入れる介護事業所が増えています。昨年始まった介護技能実習生は1年で1828人に達しました。入国半年で配置できるようになり、2年目から夜勤に入れるので、人手不足でベッドが空いている施設で受け入れています。
 今年の介護福祉士養成施設への留学生は、昨年の2倍で2000人を超えました。日本人入学者はさらに減り、3割近くが外国人になっています()。新たに始まった特定技能介護は、フィリピンに続いてカンボジアでも日本に来るための試験が始まりました。否応なく外国人介護労働者が増えてきます。

■技術力と日本語能力

 EPA(経済連携協定)にもとづく看護師や介護福祉士の国家資格をとった場合、日本語能力も一定レベルがあります。しかし、それ以外の留学生(インターン)や介護の技能実習生、特定技能には課題があります。
 技能実習生の日本語はN4(小学校入学程度)となっています。2年目の2号になるためにはN3(日常生活に困らない)となっていましたが、今年3月に規定が緩められ、N3不合格でも「意欲がある」だけで続けられることになりました。現場にどういう影響が出るかはこれからです。アジア圏の労働者は日本と同じかそれ以上に家族を大切にする風土なので、技術と日本語能力さえクリアできれば問題ないと思います。
 技能実習生や特定技能は「技術的に未熟」または「ある程度の専門性を有しない」、つまり単純労働でもいいとされています。しかし、介護は人間関係が重要。単純労働と位置づけることが適切か、今後の介護労働者の待遇改善につながるのか下がるのか、このことも重要です。
 安い労働力という理由だけで外国人労働者を増やす事業者が出てくれば、介護に日本人労働者が誰も来なくなるのではないかと心配しています。(続く)


くれまつ・さいち 愛知県労働組合総連合議長、1956年生まれ。著書に『外国人実習生「SNS相談室」より―ニッポン最暗黒労働事情』など

(民医連新聞 第1703号 2019年11月4日)