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民医連新聞

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副作用モニター情報〈526〉 モーラステープの全身性の副作用 

 湿布薬は、今やさまざまな病院や診療所で処方しており、整形外科のみならず内科などでも多数処方しています。その使用量の多さにより、最近では処方する枚数が制限されるほどです。また、ドラッグストアでも多様な湿布が販売され、テレビコマーシャルでも頻繁に紹介されています。今回は、その湿布薬の副作用について紹介します。
 全日本民医連にこの3年間で報告されているモーラステープの副作用は68件。そのうち発疹・そう痒感・かぶれが39件、光線過敏症22件です。湿布薬の副作用は、一般的に発疹、発赤などの接触性皮膚炎や適用部位のそう痒感など、使用した部位での有害事象が多数ですが、次のような副作用症例もあります。
症例)80代、女性。関節痛で湿布薬を処方される。貼付後、気分不良を訴え、嘔吐。胸やけもあり。吐き気は2日間継続した。湿布薬を止めたら2日程度で改善した。

* * *

 この症例では、患者はモーラステープL40mgを一度に7~8枚貼っていました。特に高齢者では、少しでも痛い症状があると、痛みのある部位に何枚も湿布を使う場合があります。首、肩、ひじ、背中、腰、ひざ、足首と、使用する部位はさまざまですので、一度に8枚使うことも考えられます。
 モーラステープ20mgの24時間単回貼付におけるバイオアベイラビリティは8枚貼付で Cmax=919ng/mL Tmax=13.3hr AUC=18209 ng・hr/mL 。対してケトプロフェン徐放性カプセル150mg(国内未販売)の単回投与のバイオアベイラビリティはCmax=2383ng/mL Tmax=4.8hr AUC=25170ng・hr/mLです。
 つまり前述の症例では、モーラステープL40mgを8枚使用しているので、鎮痛剤の内服薬よりも高いAUCになっていたと推測されます。そのため、鎮痛剤を内服した後のような消化器系の副作用が発生したものと考えられます。
 たかが湿布と思わずに、適正な使用量と方法で使う必要があります。

(民医連新聞 第1701号 2019年10月7日)

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