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民医連新聞

民医連新聞

“みんなの新聞”56年 1700号迎えました

 「民医連新聞」は1700号を迎えました。民医連結成から10年後の1963年から発行し56周年です。第1、第3月曜日の月2回発行しており、発行部数は約7万5000部! 4人の編集メンバーでつくっています。できた新聞は全国の事業所に送られてみなさんの手元に届きます。届いた新聞をみなさんはどのように活用していますか? 職場会議で読み合わせ? さらっと見て終わってしまう? 長野・健和会病院の検査科での「民医連新聞」活用術を紹介します。

(代田夏未記者)

職場づくりの1つとして
全員参加型の「民医連新聞」活用術
長野健和会 検査科

 火曜日の朝会の後、「民医連新聞」を読みあげる声が検査室に響きます。長野県にある健和会病院の検査科では毎週火曜日に持ち回りで民医連新聞の読み合わせをしています。担当は勤務表に割り振られて、5分程度で自分の気になった記事と感想を発表します。2016年から定例化して行っています。
 最初は「メス」や「相談室日誌」など短い記事の読み合わせだけでした。しかし今では、1面などの長い記事は自分たちで要約して読み、感想や記事について一言を添えて話しています。「担当の週に近づくと、お昼休みにどの記事にしようか決める。発行日になっても届かないと、総務課に取りに行くこともあった」と関島ゆかりさんは言います。
 記事を選ぶ時、「大きな記事や1面に注目することが多い」と技師長の伊坪哲也さん。平沢栄津子さんの「やっぱり見出しがポイントになるかな」との発言にみなさんうなずきます。「メスは今の情勢がわかるよね」「相談室日誌は身近に感じられるよね」などの声に「うん、うん」とみんなが同意していました。
 始めたきっかけは、2016年の県連職責研修での職場づくりの事例報告です。その中に「民医連新聞」の読み合わせがありました。研修に参加した池田明子さんは、「これならうちでもできそう」と職場に持ち帰り、検査科の朝会で読み合わせをしようと提案しました。すると、「『読まなきゃだね』と全員がすんなり受け入れてくれた」と池田さんは言います。
 以前、清水桂子さんがジャンボリーの記事を読み合わせしようとしたとき、その日は若手の職員がみんな休みでいなかったことがありました。「今日は若手の職員がいないからいるときにまた紹介します」と変更したこともありました。
 新聞の読み合わせのほかに、職場会議も進行役をみんなで交代して行う参加型にしています。定例化して短い時間でも必ず毎週実施しています。池田さんは「報告を聞いているだけでは、内容が入ってこないこともある。みんなで交代して進行役を務めることで協力して会議をすすめることができている」と話します。

民医連外とも一致する思いで共同を
「民医連新聞」がその一翼に

 同院の院長・和田浩さんに、「民医連新聞」に期待することを聞きました。

 見出しに“貧困”“SDH”の文字があると目を引きつけられます。最終面の連載も楽しみにして読んでいます。昨年の「ひめは今日も旅に出る」(2018年4月~2019年3月)や「里子里親」(2015年4月~11月)、「リアル社会を生きるゲイ職員の性講座」(2014年4月~2015年3月)は新聞の切り抜きをつくりました。LGBTについて関心があるのは、LGBTの人たちは貧困に陥りやすいからです。以前よりも“LGBT”の言葉は浸透しましたが、今でもカミングアウトできる人はわずかです。
 『民医連医療』の9月号で川崎協同病院の吉田絵里子医師の記事を読みました。一般論的な「こうあるべき」というよりも、民医連として何ができるのか、民医連の立場からできるマイノリティーの人たちの人権を守るとりくみを呼びかけていて、説得力がありました。当事者から、医療現場に求める声を『民医連医療』や「民医連新聞」でもっと読みたいと思います。
 また、2017年5月1日号に小児科学会前会長の五十嵐隆さんが登場し「貧困そのものの解決にとりくむことは専門職としての使命です」と話しています。実は私自身が、貧困のとりくみを本業とは別のことをしているような気がしていたのですが、そうではないと、五十嵐さんに背中を押してもらった気がしました。民医連で子どもの貧困の話をするときは、この記事を必ず紹介しています。
 民医連外の医療・介護・福祉にかかわる人たちとも一致する思いはあります。その一致できるところで共同を広めていくことが大切です。「民医連新聞」編集部が民医連外にも積極的に取材し、記事にして発信し、その一翼を担うことを期待しています。

(民医連新聞 第1700号 2019年9月16日)