日本で働く外国人 ~SNS相談室から~ (12)介護現場での外国人労働 文・写真/榑松 佐一
介護の在留資格は短期間に4つもつくられました。
EPA看護・介護
2008年に開始。母国での資格をもつ人が3年間日本で働きながら看護師・介護福祉士の資格を取るものです。昨年は266人が介護福祉士に合格。フィリピン、ベトナム、インドネシアから国際厚生事業団が受け入れ窓口となり、最近合格率も上がっています。
在留資格「介護」
一昨年から専門学校・養成校で資格を取った介護福祉士は在留資格「介護」が取れるようになりました。在留期間は最長5年で更新も可。介護専門学校への日本人の入学が5000人程度と減少する中、留学生は倍増し、今年は2000人を超えました。
技能実習「介護」
17年末に技能実習に介護の職種が追加され18年6月に初入国。日本語能力は小学校入学“程度”の「N4」のさらに「N4“程度”」でOK。入国半年で配置基準に算入され、2年目からは夜勤2人体制の片方を担えるように。2号昇格試験では日本語能力「N3程度」が必要でしたが、今年の実習生が受験する直前に「附則」がつくられ、不合格でも継続して在留できるようになりました。
マスコミはうまくいっているところを紹介していますが、日本語能力には大きな差があり、現場でどのような状況になっているのかはわかりません。
特定技能「介護」
今年4月から特定技能「介護」が始まりました。人手不足に対応する制度です。これから5年間に6万人の受け入れ(19年度は5000人)を見込んでいます。技能実習3年間を終えた実習生は、特定技能でさらに5年間働けます。しかし、介護の実習生はまだ少なく、海外にも会場を設け特定技能試験を始めました。7月まではフィリピンで行われ、次にカンボジアで行う予定です。ネットにはすでにこんな広告も出ています(図)。(続く)
くれまつ・さいち 愛知県労働組合総連合議長、1956年生まれ。著書に『外国人実習生「SNS相談室」より―ニッポン最暗黒労働事情』など
(民医連新聞 第1700号 2019年9月16日)