• メールロゴ
  • Xロゴ
  • フェイスブックロゴ
  • 動画ロゴ
  • TikTokロゴ

民医連新聞

民医連新聞

副作用モニター情報〈524〉 副反応報告数にみるHPVワクチンの実際

 HPVワクチンの副反応被害の実態についてみていきたいと思います。当副作用モニターでの副反応報告では、発売当初のもので、じんましん、神経調節性失神、けいれん、体調悪化(発熱、上気道感染)、血管迷走神経反射、腕の痛みが報告されています。
 厚生労働省の発表では、2018年8月31日までに報告された有害事象は、サーバリックスとガーダシル合計で3168件、うち重篤1821件(約57%)でした(接種者数約340万人)。
 これは、約1000人に1人の有害事象報告があり、そのうち半分以上が重篤であることを示しています。
 18年5月時点で、HPVワクチンを被疑薬とした医薬品副作用被害救済制度による障害年金または障害児養育年金の支給を受けた患者は40人で、接種した100万人当たり11.765人が認定されています。他の定期接種ワクチンの予防接種健康被害救済制度による障害年金、障害児養育年金、遺族年金または遺族一時金の給付を受けた人は、100万人当たり1.075人です。
 副作用被害救済制度の申請にかかわったことがある人なら、申請が認められるまでの厳しさを経験していると思います。副作用救済制度の認定は原則として接種後1カ月後までとされており、接種時の疼痛と痛みの恐怖から引き起こされる心身の反応(機能性身体症状)のみが認められたものです。実際には認定されていない重篤事例も存在します。
 それでも、HPVワクチンでの障害認定数は著しく高い数値となっています。
 HPVワクチンは世界的に効果が認められたものだとして推奨したい考えの人も、副反応被害の因果関係が明らかになるまで積極的勧奨は控えるべきという考えの人も、いま一度、客観的で冷静な論議が求められます。

(民医連新聞 第1699号 2019年9月2日)

副作用モニター情報履歴一覧