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民医連新聞

民医連新聞

診察室から 綱領とともに新たな一歩を

 愛媛で育ち、北海道の地で6年間勉学に勤しみ、岡山協立病院で1年間研修をして、現在香川にいます。香川に来て9年が経ちました。民医連綱領が改定された2010年に就職したのも、香川民医連と何かの縁があるのかもしれません。この間、民医連綱領を学習する機会が増えています。今となっては綱領があるのに、見返すこともせず診療にあたっていた自分が恥ずかしくて仕方ありません。
 香川県丸亀市のコープ歯科まるがめという診療所が、たび重なる赤字で今年6月末に閉院しました。18年という短い期間ではありましたが、地域に根ざした歯科であったと思います。組合員さんの助けを借りて育てた緑のカーテンは、県で3年連続受賞しました。毎年のように行われていたコープ歯科まるがめ健康祭りも、組合員さんの力なくして成功はありませんでした。そんな組合員さんを裏切る形となってしまい、本当に申し訳なく思います。
 閉院のことを聞き、「これからどうしたらいいの?」と涙を流し訴える患者さん。長年通院したかかりつけ歯科がなくなることがいかに大変か、何よりこれほどまでに愛されていたのか、と思い知らされました。民医連綱領を理解して実践するということを怠った結果なのかもしれません。現在自分のデスクの前に民医連綱領を張り、毎日読み返しています。今後は自分が歯科職員の先頭に立ち、自分の言葉で民医連綱領を語っていかなければと思っています。
 丸亀で働いていたスタッフはみな高松の生協へいわ歯科にいますが、ここも経営が良いわけではありません。スタッフの生活はもちろん、当院をかかりつけにしてくださっている患者さんのため、経営改善は待ったなしです。
 へいわ歯科では脱・歯科事業所完結型の歯科医療をめざしています。在宅にも力を入れ、医科・歯科・介護連携をこれまで以上に密に行っていく所存です。今こそ綱領をみんなで理解し、実践すべき時だと思います。

(砂田大輝、香川・生協へいわ歯科診療所・歯科医師)

(民医連新聞 第1699号 2019年9月2日)