核兵器禁止条約と核兵器をめぐる世界の動き
2017年7月7日、核兵器禁止条約が、国連加盟193カ国中、122カ国の賛成多数で採択されました(日本は不参加)。2年経ち、署名国数は70、批准国数は23です(6月19日現在)。
一方、核保有大国は、対立しながらも、独占的に核を持ち続けたい点では一致し、同条約を強く非難する共同声明を発表。唯一の戦争被爆国ながら、アメリカの「核の傘」に依存する日本も、署名と批准を拒否しています。
同条約は50カ国が批准すると、90日後に発効します。国内でも、406自治体(7月16日現在)が日本政府に同条約への署名・批准・参加を求める意見書を決議。ヒバクシャ国際署名は941万5025人(4月24日現在)、20府県、1135市町村の首長も署名しています。
何より、核兵器廃絶へ向けた議論を引っ張ってきたのは、広島・長崎の被爆者たち。共鳴する市民運動は全国で続けられています。
広島では6月28日、被爆者団体をはじめ賛同23団体が市長に対し、原爆の日の平和記念式典で読み上げる平和宣言に、同条約の批准を国に求める文言を入れるよう要請。広島民医連と広島中央保健生協も参加しました。
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2020年は、NPT(核不拡散条約)再検討会議もあります。その準備委員会でも核兵器禁止条約が大きな力になっています。来年の原水爆禁止世界大会はニューヨークでも開かれる予定です。
核兵器禁止条約を批准した国
オーストリア、クック諸島(※)、コスタリカ、キューバ、エルサルバドル、ガンビア、ガイアナ、バチカン市国、メキシコ、ニュージーランド、ニカラグア、パラオ、パレスチナ、パナマ、セントルシア、サモア、サンマリノ、南アフリカ、タイ、ウルグアイ、ヴァヌアツ、ベネズエラ、ベトナム
※同条約に署名せずに加入書を国連に寄託
(民医連新聞 第1697号 2019年8月5日)