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民医連新聞

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日本で働く外国人 ~SNS相談室から~ (6)3週間1日も休みなし 文・写真/榑松 佐一

 知り合いを通じて、ミャンマー人の女性の相談が届きました。農業では労働基準法(以下、労基法)を知らないことが少なくありません。労働時間について労基法の適用除外があり、年間変形労働時間制で書類を出している場合もあります。農林水産省は労基法に準拠するよう求めていますが、書いてあるだけで法的拘束力はなく、厚生労働省に要請するわけでもありません。労働基準監督署(以下、労基署)に訴えても直ちに違反とまではいきません。やむを得ず、4週間は我慢してもらい、最低4日間の休日を与えなかったところで、技能実習の適切な実施や技能実習生の保護をはかる技能実習機構に、実習計画との違いで申告しました。
 監理団体は月に1度以上は現地に行き、実習生に会って実態を把握する義務があります。技能実習機構から指導されて「なんで愛労連なんかに言ったんだ」と怒ったようですが、もう手遅れ。
 昨年は山形県の牧場で30kgもある牧草を運ばされているモンゴル人の女性の相談がありました。重量物の連続作業基準で女性は20kgまでとなっています。モンゴルだから牧場作業にしたのでしょうが、モンゴルでは女性の重量作業の制限は15kgだそうです。これは労基署に伝えてすぐに職場を替わりました。
 その前には神戸の支援者から愛知県の牛舎で働くベトナム人の女性の身体中に農薬で発疹が出たと相談がありました。住んでいるところも、まさに牛小屋状態でした。残業代はほとんど払われていませんでした。
 この間、農業の担い手不足で実習生が多くなっていますが、農家は労基法を知りません。監理団体は農業の経験もなく全く指導ができません。本気で農業を守ろうとするなら、農業団体が責任を持って受け入れることが必要です。これは介護でもいえると思います。(続く)


くれまつ・さいち 愛知県労働組合総連合議長、1956年生まれ。著書に『外国人実習生「SNS相談室」より―ニッポン最暗黒労働事情』など

(民医連新聞 第1694号 2019年6月17日)