半分は保険証所持 早期発見なら救えたいのち 全日本民医連手遅れ死亡事例調査
全日本民医連は、3月6日、2018年の経済的事由による手遅れ死亡事例調査概要の記者会見を行い、26都道府県から寄せられた77事例を報告しました。保険証を持っていながらも手遅れになった事例が半分になったこと、20代の外国人労働者や、家族からのDVで手遅れになった40代の事例などを紹介しました。年齢層は60代が42・3%、独居が54・5%、雇用形態は、無職、非正規雇用、自営業が70%。
概要の説明をした山本淑子事務局次長は、「家族にもSOSが出せずに我慢、障害のある家族を抱え込み、地域で孤立、生活保護が利用できていない、生保廃止後の対応の問題、DV被害、外国人労働者などの複合的な困難」と事例の特徴を述べました。また保険証を持ちながら中断や未受診になった理由について「窓口負担などの医療費が払えないための中断や、生活困窮による支払い不安からの未受診」と指摘。窓口負担の低減や国保法44条を生かした一部負担金の減免を訴えました。
全日本民医連理事で医師の田村昭彦さんは、「77事例は氷山の一角にすぎない。死因の74%はがんだが、早く発見し治療ができれば救えた事例が多い」「国民のいのちと健康をまもるためには、医療にアクセスする権利を保障していく必要がある」と述べました(詳細は4月1日号に掲載)。
(民医連新聞 第1688号 2019年3月18日)
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