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民医連新聞

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第43期第2回評議員会開く いのち、憲法、綱領の視点で「新たな発展期」へ 参議院選挙で改憲断念を

 全日本民医連は2月16~17日、東京都内で第2回評議員会を開きました。評議員84人(予備評議員含む)と全日本理事など約170人が参加。第43回総会から1年の折り返しにあたり、情勢認識を共有し、現場に根ざした「医療・介護活動の2つの柱(以下、2つの柱)」、SDHの実践、医師課題や経営、職員育成などで全国の教訓を学び深め、次期総会までの強化方向を確認しました。(丸山いぶき記者)

 藤末衛会長があいさつ。政府がすすめる全世代型社会保障や働き方改革の本音と、民医連の経営や後継者育成をすすめる上での「2つの柱」のインパクトに言及。「患者の生活背景に着目する民医連と共同組織の活動は健康格差の克服に大きな役割を果たす」「綱領学習ブックレットも使い、大いに議論を」と呼びかけました。
 特養あずみの里裁判で起訴された看護職員と、施設長の細川陽子さんが、3月25日の判決を前に、あらためて支援を訴えました。
 理事会報告を行った岸本啓介事務局長は冒頭「東京の乳腺外科医師えん罪裁判とともに組織を上げた支援を」と呼びかけました。評議員会方針案は全県で積極的に討議され、「国会での安倍改憲阻止と沖縄県知事選挙勝利で運動の力が実感された」と強調。「2つの柱」は「県連医活委員会を先頭にとりくむ道筋が見えた」との報告や、現場での具体化がすすんでいると紹介。「新たな発展期」への要となる医師政策と、綱領学習運動に触れ「2日間の討議で次期総会に向かう方針を練り上げよう」と呼びかけました。
 続いて2018年度決算案と会計監査報告、19年度予算案を提案。
 また、山本一視副会長は「未来に向かって民医連の医師と医師集団は何を大切にするか(案)」について講演。岩須靖弘次長は『民医連綱領学習ブックレット』での学習運動について提案しました。方針案はじめ各議案を満場一致で採択しました。

61本の発言

 討論では文書発言9本を含む61本の発言がありました。
■情勢と運動…8本の発言。沖縄の座波政美評議員は、県民投票や大浦湾の軟弱地盤に対応する設計変更など辺野古新基地建設をめぐる新たな状況を報告。北海道と岡山は北海道胆振東部地震と西日本豪雨災害の被害概要や支援活動、その後の経過を報告。宮城は、女川原発再稼働の是非を問う県民投票実現へ向けた署名活動について。青森の田代実評議員は、憲法闘争推進本部で若手職員の学びに力を入れ「参議院選挙後、多くの青年職員と9条を守り抜いたと喜び合いたい」と語りました。
■「2つの柱」、SDH…発言は15本。栃木の関口真紀評議員は、無料低額診療事業で連携する済生会宇都宮病院の問題提起を紹介。在留資格のない40代のイラン人男性、無低診利用の事例で、済生会病院が2200万円超を負担。「今後ますます外国籍労働者が増えると彼らが在留資格を失えばさらに無低診相談が増えることが懸念される。国の責任を問い、彼らの人権を守るたたかいが必要」と訴えました。
 京都の松浦ときえ評議員は、子ども診療所に古紙回収に来た無保険の60代独居男性の手遅れ死亡事例を紹介。方針案の「日常診療の中での…真実の重さ」に関し「事例から教えられた」と報告。ほかに後期高齢者の窓口負担2割化影響調査(千葉)や国保アンケート(富山)、子ども医療費無料制度を広げる運動(沖縄)などの報告がありました。
■医師課題…10人が発言。群馬の高坂浩明評議員は、大学医局から派遣され引き揚げる予定だった医師が「働きやすい」と利根中央病院常勤医になったことを紹介。鳥取では内科専門医基幹型プログラムに挑戦し、20年開始の研修で「地域に根ざした内科医養成をめざす」と報告。宮城の佐藤孝一評議員は、医師の働き方変革へ「実態把握や一部の長時間労働是正のための協働、医師自らの推進」を強調。自由討論では、多様性を認めることの一方で、共通項やコア医師・医学生の醸成が議論になりました。
■経営…長期計画の作成(大分、熊本など)や管理者育成の予算合宿(山梨)など改善のとりくみが11本。福島の北條徹評議員は、全日本民医連経営対策委員会の支援のもと経営管理水準の引き上げによる改善をめざす郡山医療生協の現状を報告。「原発事故後の医師退職にも起因する経営危機を突破し、地域の貴重な財産である病院を守るため、引き続き残された課題にとりくむ」と決意を述べました。香川は地協経営検討会を受けて「経営幹部のリアルな分析と全職員で実態と方針の共有、地域での存在意義の確認が重要だと認識した」と発言しました。
■介護…介護保険3割負担影響調査の結果報告(神奈川)や、自治体主催の介護支援専門員研修への警鐘(東京)など4本の発言。
■職員育成…全国青年ジャンボリーの訴え(岐阜)など4人が発言。福岡の豊田文俊評議員はコメディカルの人づくりのために、診療技術者委員会を立ち上げ「職場づくりの悩みや問題点、解決策が共通だと実感されている」と報告しました。

(民医連新聞 第1687号 2019年3月4日)