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民医連新聞

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「総がかり」で守ろう いのちくらし イージス・アショアを考える勝平の会 共同代表 佐々木 勇進さん 近江 幸義さん 子どもたちに兵器のない未来を

 いのちと暮らしの危機に、多くの人と総がかりで立ち向かおう―。地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備先として、秋田市の新屋演習場、山口・萩市のむつみ演習場が候補地にあげられました。秋田市の「イージス・アショアを考える勝平の会」の共同代表の佐々木勇進さんと近江幸義さんに聞きました。
 (長野典右記者)

■攻撃の目標に

 2017年11月、地元の新聞、「秋田魁(さきがけ)新報」に地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備候補地として、秋田市の新屋演習場、山口・萩市のむつみ演習場があがっていると報道されました。
 2018年6月、防衛省が県庁を訪問し、配備計画を伝えました。南北首脳会談で朝鮮半島の非核化、対話がすすんでいく中、住民説明会で防衛大臣は、「北朝鮮の脅威は変わりない」と配備の必要性を強調。「被害は少ない」「対策はとる」など、質問にまともにこたえませんでした。
 新屋演習場は約1平方キロメートルの陸上自衛隊の演習場。そこから300メートルの距離に高等学校が、500メートルに小学校、中学校が、すぐ近くには、保育所、福祉施設などもある住宅密集地があります。固定化した基地は攻撃の目標になると専門家も指摘。また、地上イージスからミサイルを監視するために常時出される強力な電磁波の影響で、熱作用が生じることなどを防衛省は認めていますが、具体的な対策の説明はしていません。
 住民説明会では、PTAの保護者から、「自分の子どもをミサイル基地近くの学校に通わせますか」との問いが。担当課長は「負の遺産を残すことはあってはならない」とこたえながらも、ミサイル基地は必要と言いました。

■地元紙も反対表明

 アメリカ軍の文章では、35キロ圏内の基地周辺の飛行制限が書かれています。現在、市内のドクターヘリは年間50回ほど飛行。早期警戒レーダーXバンドレーダーがある京都府京丹後市では、地元消防本部の停波要請にアメリカ軍が応じず、ドクターヘリでの負傷者搬送が17分遅れました。
 イージス・アショアの配備もいのちにかかわる問題です。アメリカ軍はルーマニアやポーランドにも配備していますが、日本だけが購入し、自衛隊に管理操作させます。日本をアメリカの防衛システムに組み込み、軍需産業の要求に応えたいのが本音です。核ミサイルを日本上空で迎撃すれば日本が放射能汚染されることは容易に想像がつきます。
 「秋田魁新報」社長も自身の論評で、「兵器で未来は守れるか」という見出しで、「軍事施設はいったん配備されれば、増強されることはあれ、撤去されることはない。兵器に託す未来を子どもたちに残すわけにはいかない」と反対の立場を明示しています。

■選挙で争点に

 「辺野古基地建設と同じように住民の意見を聞かずに強行しようとしている」「秋田県知事も住民の立場で明確に反対を貫くべき」と佐々木さんはいいます。
 地元の全16町内で構成する勝平地区振興会では「基地は必要ない」と昨年12月秋田市議会に請願書を提出。自民党系の会派や公明党はこの請願を継続としたため、市民団体から議員全員に新屋が適地かアンケートを実施。回答しない自民党系以外は「適地と思う」という議員はひとりもおらず、争点が明確になっています。
 毎週金曜日の朝、通勤時間に沿道で宣伝活動をしています。地域での学習会も積み重ね、運動が広まるよう活動しています。「4月の統一地方選挙や夏の参議院選挙で争点に持ち込み、配備に反対する議員をひとりでも増やしたい」と近江さんは抱負を語りました。

 活動資金 郵便局
 02250―6―123258 近江幸義

(民医連新聞 第1686号 2019年2月18日)