7月の参院選挙で 異常な政治を変えよう -第2回評議員会方針案のポイント- 岸本事務局長に聞く
全日本民医連は2月16~17日、都内で第43期第2回評議員会を開きます。全日本民医連理事会は方針案を発表。そのポイントについて岸本啓介事務局長に聞きました。(長野典右記者)
今回の方針の特徴は、第1に、安倍9条改憲をストップさせ、3分の2の強権政治を終わらせる参議院選挙へ向かう時期に開かれます。第43回総会で最大の運動とした改憲ストップへ向かいましょう。
第2に、第43回総会方針の3つのスローガン(別項)の具体化、実践の2つの重要な文章、「未来に向かって民医連の医師と医師集団は何を大切にするのか」(案)、「民医連の綱領と歴史 学習ブックレット」を提案、学習討議を呼びかけます。
第3に、「医療・介護活動の2つの柱」(5面参照)と好循環のために、医療・介護活動の強化とまちづくり、人づくり、経営、運動、現場での前進を確信に全国の経験を学ぶことを呼びかけています。
■困難は全国連帯の力
第1章では、第43回総会から中間点にたっての記述です。全般的な到達点として、2018年に安倍9条改憲発議を許さなかったこと、沖縄県知事選挙では全国支援で勝利に貢献できたことは大きな確信です。「2つの柱」の視点や実践が広まり、運動と職員養成の力となっていることも記載しました。
第14回共同組織活動交流集会には、すべての県連から共同組織の代表者が参加し、2年間の多彩な活動を共有し、成功。共同組織は月間を通じて370万を超える組織に前進しています。医学生の奨学生も497人、来年度は190人近い新卒医師が民医連で研修を予定しています。
深刻な経営の中、前進を開始している法人・事業所の教訓に学び、すべての法人で明確な前進をはかりましょう。自然災害への支援では、全国の連帯の力で困難を乗り越えてきました。
■改憲の危険性 学び広げよう
第2章では、総会以降の情勢の特徴を取り上げています。朝鮮半島情勢では歴史的な南北・米朝首脳会談が開催されました。北東アジアの非核化・平和の流れと、安定化の画期的な出来事になりました。また核兵器禁止条約の調印や批准も増えています。
国内では、市民と野党の共同で、原発ゼロ基本法案、子どもの生活底上げ法案が共同提出されました。また安倍内閣支持率が低下し、不支持が4割を超えています。改憲も6割が反対するなど、民意を顧みず、強引に国会を運営する異常な安倍政権への国民の厳しい評価の現れです。消費税の10%への引き上げに反対する運動もすすめていきます。
戦争する国づくりのために、9条に自衛隊を書き込む危険性を職員や共同組織と学んで知らせることも重要です。辺野古基地埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票も成功させましょう。
■統一地方選の争点に
第3章では、来年2月の第44回総会にむけ、1年間のとりくみを提起しています。第1に、7月の参議院選挙で今の異常な政治を変えること、5月3日の5・3憲法集会の成功、各地で手遅れ死亡事例調査の記者会見を行い、誰もが払える国保料(税)に、などを統一地方選挙の争点にすることで運動を強めましょう。
第2に、医療・介護活動をまちづくりと結びつけて旺盛にとりくむことや、「2つの柱」と一体に経営困難を乗り越えること、優れた経験を、全日本、地協、県連に結集し学ぶことを提起しています。
「医師確保と養成の前進」、「綱領学習」とあわせて4つの重点として提起しました。
(別項)
第43期定期総会スローガン
○憲法をまもり生かす国民的運動に参加し、人権、民主主義が輝く平和な未来を切り拓こう
○社会保障の営利・市場化に反対し、共同組織とともに、住民本位の地方自治の発展、安心して住み続けられるまちづくりを進めよう
○「医療・介護活動の2つの柱」を旺盛に実践し、経営、職員の確保と育成、運動との好循環を創り出そう
(民医連新聞 第1685号 2019年2月4日)