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民医連新聞

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乳腺外科医師えん罪事件 必ず無罪判決を 2月20日東京地裁で

 2016年、民医連の病院で働いていた非常勤の乳腺外科医師が、術後の女性患者にわいせつな行為をしたとして準強制わいせつの疑いで逮捕・起訴され、長期にわたって拘留されました。逮捕・起訴された男性医師は一貫して無罪を主張。裁判の中で、科捜研の鑑定書の書き換えや物的証拠の廃棄なども明らかになっています。2月20日に東京地裁で判決を迎える本件について、「外科医を守る会」事務局の窪田光さん(東京・健和会事務局長)の寄稿です。

医療現場の萎縮を招き患者の不利益につながる

 乳腺外科医師裁判の東京地裁判決が、2月20日に出ます。この裁判は2016年5月に東京・柳原病院で乳腺の手術を行った非常勤外科医師が、同年8月に準強制わいせつの疑いで突如逮捕され、起訴されたものです。
 同年11月の初公判以降、期日間整理手続きが14回、昨年9月から今年1月8日の結審まで13回の公判が行われました。
 医師が105日間勾留された後、保釈されたのも、法廷で検証実験結果を堂々と証言できたのも、全国の民医連や共同組織をはじめ多くの人たちから署名や1200万円余りの支援基金が寄せられたからに他なりません。あらためてこの間のご支援に御礼を申し上げます。

■非科学的な検察側の主張

 罪に問われている行為は、全身麻酔による手術後35分以内のことで、手術後の幻覚や錯覚が織り混ざったものであり、4人部屋でかつ頻繁に看護師が出入りする環境の中で起こった、とされています。客観的にも医学的にもわいせつな行為が行われたとは考えられず、また逮捕時と起訴時の事由も異なります。外科医師の逮捕・起訴は、全身麻酔手術後の患者の訴えのみを根拠とした不当なものです。
 また、「医師が患者の乳首をなめた」とされる証拠として、初めてDNA量が争点となりました。裁判長は、(1)麻酔覚醒時のせん妄の有無と程度による患者の証言の信用性、(2)DNA鑑定およびアミラーゼ鑑定には科学証拠としての許容性、信用性および証明力の2点を主要な争点と整理しました。それをめぐり双方の関係者や医師、科捜研関係者、法医学者など専門家の証言が行われました。
 公判を通して、科捜研の鑑定書は、ワークシートの書き換えがあったり、検体抽出液を廃棄し追試ができないことが明らかとなりました。科学的とは言えないと感じます。これで有罪となるなら、非科学的な科捜研の鑑定に司法がお墨付きを与え、他にもえん罪が生まれかねないと危惧します。外科医師を守る会には、「有罪となれば、医療現場は萎縮し医師は安心して患者を診察できない。ひいては患者の不利益につながる」といったコメントが全国から寄せられています。

■全国からの支援を

 判決を前にして、後は世論と運動で無罪を勝ち取らなければなりません。無罪判決が出たとしても、検察側が控訴して高裁にいく可能性があると言われています。引き続きご支援をお願いします。


□外科医師の無罪を勝ち取るため支援基金□

振込先 外科医師を守る会
ゆうちょ銀行
店名 〇五八(ゼロゴハチ)
店番 058
普通預金 7045221
※郵便局からの振込の場合
記号 10510
番号 70452211

外科医師を守る会ホームページhttps://gekaimamoru.org/)もご覧ください。入会も呼びかけています。

(民医連新聞 第1685号 2019年2月4日)