被害を風化させない 福島視察・支援連帯行動
昨年12月7~9日、第12回福島被災地視察・支援連帯行動を開催し、9県連から21人が参加。現地ガイドは浜通り医療生活協同組合専務の國井勝義さんが行いました。
被災地視察では、いわき市から出発し、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町の順に回りました。いまだに帰還困難区域に指定され帰還できない地域があること、放射能の考え方や賠償金の違いで住民同士に対立や分断がもたらされたことなどを学びました。
楢葉町では宝鏡寺住職の早川篤雄さんから話を聞きました。「原発大事故つぎも日本」と繰り返し訴え強調し、原発事故は人災であることを学びました。
今回初めて富岡町にある東京電力廃炉資料館(旧エネルギー館)を訪れました。事故の検証も十分にされていない中、東電は反省の言葉を口にしていますが、引き続き技術革新をすすめて原発事業を強化していくと説明し、「原発大事故はつぎも日本」で起こり得ると強く感じました。
また過酷な環境の中で働く原発労働者の実態にそぐわない形での廃炉作業の現状などが紹介されているのも確認してきました。
帰還した楢葉町民との懇談では、帰還後の生活で、今もペットボトルの水を買って飲み、中にはお風呂の水ですらペットボトルの水を使っているという話も聞きました。
原発事故から8年目を迎える今もなお、水や食べ物などで放射能の影響を心配している人もいて、いまだに生活する上でも困難を強いられていることを知りました。
最終日には2日間学んだことの振り返りと班発表を行いました。福島の被害を風化させず、忘れ去られてしまわぬよう語り継いでいく決意を固め合いました。
マスメディアではあまり報道されない福島の現状を知り、被災地に足を運んで、見て、聞いて、感じることの大切さを再確認したと、多くの参加者からの感想も寄せられました。
全日本民医連では、被災地の人びとに寄り添い支援し、原発ゼロをめざす運動の担い手を養成するためにも、引き続き福島被災地視察・支援連帯行動を実施していきます。
(全日本民医連共同運動部 野口貴弘)
(民医連新聞 第1684号 2019年1月21日)
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