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民医連新聞

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相談室日誌 連載456 民医連のSWだからこそ 支援できた患者たち(神奈川)

 私事ですが、ソーシャルワーカーになって約5年、民医連で働くようになってから約1年半がたちました。民医連のワーカーとしての実践当初は、毎日が驚きの連続でした。
 精神科初診前に「しんどい」と電話をしてきたAさんは、会話中に電話が切れてしまったきり、連絡が途絶えてしまいました。先輩ワーカーは迷わず「迎えに行こう」と判断。先輩と私が迎えにいくことでAさんは予定通り精神科を受診できました。その後、精神科医からは「迎えに行ってくれなかったら、Aさんは自死していたかも」と言われました。
 救急搬送されてきたBさんは、末期の脳腫瘍の診断で、疾患の影響で記憶障害がありました。独居のようで、生活実態の把握が困難でした。私はBさんの許可を得て家庭訪問を行い、そこで家族の連絡先を得ることができました。家族はBさんと疎遠になっていたようですが、Bさんの病気のことを知り、とても心配していました。Bさんは、最期に家族と再会することができました。
 末期の胃がんを抱えるCさんは、借金によるお金の心配をなくし、最期まで自宅で大事な飼い猫と過ごすことを希望していました。私は、Cさんや職場の上司と相談しながら、自宅を売り、借金を返し、飼い猫と住める新たな居所を探し、転居をし、医療・介護サービスを整えるように支援しました。行政や不動産会社、動物病院、医療・介護の各事業所とも連携し、Cさんの希望をかなえることができました。
 患者の幸せを願って、病院の外に出ることを惜しまず、枠にとらわれない、さまざまな機関と連携しながら患者を支援することは、民医連のワーカーとして当然のことですが、当初の私にはとても新鮮でした。単なる退院調整ではなく、生活支援を担う民医連のワーカーであることに誇りを感じるとともに、ひとりのワーカーとして、このような実践が広まることを願ってやみません。

(民医連新聞 第1684号 2019年1月21日)