きかせて!職場づくり 福井・つるが生協在宅総合センター和
福井・つるが生協在宅総合センター和(なごみ)(以下、なごみ)では、ここ数年、介護職員の新卒は確保ができず、また入職しても、短期間に退職するケースがありました。そこで、なごみでの職場づくりの柱について、4月の総括方針会議で、全職員にKJ法を使いグループワークにとりくみました。管理者の酒井真由美さんに聞きました。
全員でつくった
「大切にしたい5つの柱と 20の大切」
なごみは、二〇〇五年七月、居宅介護支援、訪問介護、訪問看護に、単独ショート、通常規模デイサービスを加え五事業所でスタートしました。その後、地域包括支援センターの委託を受け、認知症デイ、グループホームの二事業を併設、八事業所、職員総数八五人の大きな集団となりました。市内には介護事業所が充足しており、ここ数年は介護職員の新卒は確保できていません。また、入職しても短期間に退職するケースがありました。
■体制不足の職場では
二〇一七年二月、業務の習得ができない、人間関係が築けないことを理由に二人から退職希望が出ました。職場の責任者(以下、職責者)や、指導にかかわった職員のストレスも大きくなっていました。
これまで、どんな問題もなごみ全体の問題として、八事業所の職責者みんなでささえ、考え、話し合ってきました。三月は職責会議を臨時で開き、話し合いを重ねました。
話し合う中、うまくいっている職場では、職場方針や宣言をみんな同じ方向を向いて実践できていることがわかりました。また困ったことや悩むこともひとりで抱え込まず、いっしょに考えていました。
一方、うまくいっていない職場には体制不足があり、忙しくて話し合いの時間がとれていませんでした。あいさつやコミュニケーションも不足し、ミスやトラブルが発生、職場の雰囲気も悪くなることがわかりました。
職場の方針や宣言を実践するためには、職場づくりの柱がしっかりしていないといけません。なごみの職場づくりの柱とは、職場づくりで大切にしたいことです。
職責会議でこれ以上話し合うより、ブレーンストーミングとKJ法で意見を出し合うことにしました。なごみの職場づくりで大切にしたいことを、事前に付せんに書いてもらいました。
あいさつ、笑顔、楽しい、思いやり、信頼、話せる、情報共有、学ぶ、質の向上、いっしょに考える、チームで実践など、たくさんの事柄が短時間で集まりました。この方法であれば、全職員でKJ法をやってみたいと職責の意見が一致。四月の総括方針会議の時間を使い、KJ法でグループワークをすることになりました。
■笑顔で意見交換
時間が限られているため、事前にテーマ、グループワークの目的、大切にしたい事柄を五つ付せんに書き、参加してもらうよう要項を配布しました。夜勤の職員、欠席者にも付せんを提出してもらうようお願いしました。
当日は、一〇グループに分かれ、職責がファシリテーターとなり、六三人の職員が参加。グループは、職場、職種、民医連歴などのバランスに配慮しました。短い時間でしたが、どのグループも楽しく笑顔で活発に意見交換することができました。
模造紙いっぱいに付せんが張られ、笑顔、思いやり、あいさつ、表情、態度、言葉遣い、信頼、親睦、コミュニケーション、ほめる、責めない、いっしょに考える、いっしょに喜ぶ、報・連・相、共有、向上心、接し方、心のあり方、学習、健康、職場環境、チーム、経営と、たくさんの大切にしたいことが出されました。模造紙には、円、太陽、森林、手をつなぐ、クローバー、ハートなどのイラストが大きく描かれていました。発表もハッキリとわかりやすく、元気が出るものでした。
* * *
その後、職責会議で話し合いを重ね、九月に「なごみの職場づくりで大切にしたいこと五つの柱と二〇の大切」が決定。一〇月の総括方針会議で確認し完成となり、各職場に掲示しました。五つの柱と二〇の大切は民医連綱領、看護、介護理念、職場の宣言につながるものだと思います。
これからも「なごみの職場づくりで大切にしたいこと」を意識して実践できる職場にしていきたいです。
職場の身近な悩みを教えてください。会議を上手にすすめるには? 意思疎通の工夫は? 「こんな悩みをこう解決した」などの経験や元気な職場の情報もお寄せ下さい。◆宛先に「職場づくりのページ」
min-shinbun@min-iren.gr.jp
FAX:03(5842)6460
【職場データ】
(事業所)
在宅総合センター
(職員)
正規:51人、
パート:34人
経験年数:1年目~23年目
年齢層:20代6人、30代20人、40代27人、50代21人、60代11人
(民医連新聞 第1680号 2018年11月19日)