災害時に暮らし守る
医療費免除復活求め2万筆を県に提出
熊本民医連
【熊本発】一〇月一日、熊本地震での医療費免除措置の復活を求める署名二万六九筆と要望書を熊本県に提出しました。この署名は、自宅が全半壊した国保加入者などを対象とした医療費免除措置を県が昨年九月に打ち切ったことに対し、仮設団地自治会長一七人と、みなし仮設団地入居者二人が呼びかけ人となり、五月からとりくんできたもの。提出には自治会長八人、熊本学園大学の高林秀明教授、支援者などのほか、民医連からも一二人が参加しました。
医療費免除は、被災市町村が希望すれば国から八割補助されます。東日本大震災で被災した岩手県は市町村と県が一割ずつ負担し免除を継続。熊本県は「既存の制度で対応可能」と免除を打ち切りましたが、その後の申請は二件、利用は一件にとどまっています。
翌二日には、県議会厚生常任委員会で同趣旨の請願の趣旨説明をしました。児成豊さん(白旗仮設団地自治会長)が、「被災者は再建にどれだけお金がかかるかわからず我慢を重ね、救急搬送されたり長期入院する人もいる。安心して医療を受けられるよう免除を復活してほしい」と訴えましたが、残念ながら不採択となりました。
(井長秀典、事務)
大規模停電地域の“あかり”に
静岡西部健康友の会浜松佐藤町診療所
【静岡発】台風二四号が通過した九月三〇日から数日間にわたり、浜松市内では大規模な停電がつづきました。診療所は停電しておらず、職員から「コンビニもスーパーも品物がなく、ご飯が食べられない患者さん、利用者さんがいる。何とかできないか」と相談があり、会議を取りやめ、急きょ炊き出しの準備をしました。
午後五時から七時まで診療所二階のデイケアを会場に決定。ビラをつくり、友の会会長と職員二人で診療所周辺の約八〇軒のドアを叩いて案内をしました。訪問介護・看護、診療所、薬局の職員が炊き出しの準備をしました。
友の会事務所では携帯電話の充電機も貸し出し。充電する間に二階でカレーライスを食べます。お年寄りから子どもまで一〇〇人以上が来て、用意したご飯とカレーはすぐになくなり、急いで二回目を準備しました。ツイッターの投稿を見たテレビ局も取材に来て、後日放送されました。
ある自治会長は「公会堂も停電で炊き出しができず、診療所でやってくれて助かる」と、入口で皆さんを案内してくれました。
高層マンションではトイレが流せず困っているとわかり、男性職員二人がバケツに水を入れ、階段で部屋を訪ねました。看護師二人は車いすにおにぎりをのせ、四階建ての施設に届けました。二〇人以上の職員が炊き出しに参加しました。
(村松幸久、友の会会長)
(民医連新聞 第1678号 2018年10月15日)