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民医連新聞

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診察室から 秋田のいいもの(1)

 皆さんは秋田といえば何を思い浮かべるでしょうか。高齢化率日本一、自殺率日本一などマイナスのイメージを持たれることが多いかと思います。しかし秋田はそんなに悪いところではないよと、皆さんに秋田のいいものを紹介したいと思います。
 きりたんぽはご存知かと思いますが、秋田県人がしょっちゅうきりたんぽを食べているかというとそうではありません。きりたんぽの本場である県北の大館市では違うかもしれませんが、一般的な秋田県人は年に一回鍋にして食べるくらいのものです。
 しかしこのきりたんぽ鍋は、個人的にはよくできた優れた鍋だと思っています。具材は比内地鶏(比内鶏ではありません。比内鶏は天然記念物ですので食べてはいけません)、ごぼう、舞茸、セリ、糸こんにゃく、長ネギを煮立てて最後にきりたんぽを投入します。比内地鶏の出汁が効いたしょうゆ味です。なんといってもこの鍋、栄養のバランスが絶妙です。鶏肉のタンパク質、根菜を含む野菜類、きりたんぽの炭水化物と、これだけで晩御飯になります。興味のある人は是非味わってみて下さい。
 次は、なまはげについて。皆さんの中に、なまはげは秋田県内のどこでも見られると思っている人はいませんか。実はなまはげは、男鹿市のある限られた地域の小正月行事で、現代では大みそかの行事となっています。
 ですから、なまはげはいつでも見られるわけではありません。しかし最近では、時間限定の「なまはげ乱入」が見られる居酒屋が秋田駅前にあります。乱入の時間になると店内の明かりが消え、大きな包丁(もちろんレプリカです)を持った赤鬼と青鬼が客席に現れます。「しごど、なまけねでやってらがー(仕事怠けないでやっているか)」など雄たけびをあげながら客席を回るのですが、「あんまりさげっこのむなよー(あまり酒をのまないように)」など、身につまされることも言うのです。なまはげ様、反省します。次回も秋田のいいものを紹介します。

(柴田敬一、秋田・中通総合病院)

(民医連新聞 第1673号 2018年8月6日)

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