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民医連新聞

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相談室日誌 連載445 在留資格は仮放免 外国人の支援探る(京都)

 二〇一七年九月末、外国人支援団体から「腰痛、両下肢のしびれがひどく歩行困難の外国人の受診をさせてほしい」と相談の連絡がありました。四九歳のイラン人男性で数年前に息子さんと二人で京都に転居、現在保険加入なく、生活は息子さんのアルバイト収入のみ。当院の無料低額診療事業(以下「無低診」)の利用を希望していました。彼の在留資格は「仮放免」。これは日本で生活する資格のみを有するもので、医療保険に加入もできず、働くことも認められていない状況でした。当院では無低診の範囲を医療保険の一部負担金の上限額までという運用をしており、健康保険のない人には医療費の支払いが生じます。他府県での受診も相談したようですが制度利用の条件に合わず、当院で診療を受けてもらうことになりました。
 無低診の適用範囲は事務長と相談し医療保険の一部負担分を免除、残りを分割にするということにしました。初診の整形外科は問題なく、神経内科での治療が七カ月経った今も続いています。初診時は、すぐよくなるだろうと思っていましたが、原因がわからないまま対症療法の状態です。下肢の感覚障害、痛みやしびれが続き不安な気持ちを受診のたびに聞きました。「治ったら何でもできる。お金の心配もなくなる。だから原因を見つけてほしい」と。
 当院でできる治療には限界もあり、専門治療が必要になるかもしれない。そんな現状を踏まえ何とか保険加入の手だてを模索しました。法人と無低診運用変更についての相談や市議を通じて生活保護の相談にも行き、二〇一二年七月に出された厚労省の通達で「仮放免資格を有する外国人は保護申請はできない」など制度後退の事実も知りました。母国に帰れば安心して治療は受けられるかもしれません。しかし政情不安定もあり、日本への再入国の可能性は低いと考えられます。当院での治療継続しかない現状で、本人の不安に寄り添いつつ、無低診の制度運用の矛盾、外国人に対する法の壁をいかにしてこえられるか暗中模索の毎日です。

(民医連新聞 第1671号 2018年7月2日)