医師も関わり 民医連に共感する 学生とつながる 奨学生を増やすとりくみ 大阪民医連
全日本民医連は中低学年での奨学生を増やし、育てる大運動を成功させ、新卒医師二〇〇人の受け入れ、奨学生集団五〇〇人を目標にとりくんでいます。大阪民医連の上坂岳央(たけお)さんの報告です。
大阪民医連ではこの間、卒年対策での「フルマッチ」は達成するものの、奨学生を増やし育てるという課題が後景に退き、奨学生数の減少が続いていました。二〇一五年秋の全日本民医連の提起した「大運動」では、一五年、一六年は目標を達成することはできませんでした。しかし、一七年は「Movement 2017」の期間で七人、四月からの一年では一〇人の奨学生を増やし、奨学生も昨年四月時点の四人から一三人に増やすことができました。
■認識の共有化
全日本民医連の提起をきっかけに、あらためて奨学生を増やす意義について議論をしました。そのなかで、新専門医制度のスタートを控え、外部に研修に出ていても、再び戻ってきて民医連の医療活動の担い手となるような医師の確保と養成が必要であること、そのためには、学生時代から民医連について学び、共感してくれる医学生や奨学生を増やすことが重要である、との認識が共有されるようになりました。
高校生対策では、医師体験を軸にさまざまなとりくみを定期開催するとともに、学生や高校の教員や保護者との信頼関係を構築するなかで、高校生対策から奨学生が誕生するようになりました。
中低学年対策への医師のかかわりも強めました。「医ゼミに行く会」の学生に医ゼミOB医師がかかわり、医学生委員長を講師に、月に一度の学習会である「なにわの医療道場」を立ち上げました。また、大学前のサポートセンターでの、ランチやディナー企画などのとりくみも強化しました。
■独自の情報誌を発行
これらの活動を通じて、医ゼミに行く会の活動が活発化し、中低学年のつながりも増え、奨学生の誕生につながりました。
全学年一律支給の奨学金制度の追加や、独自の情報誌『Medi-Wingおおさか』定期発行の再開、大学のオープンキャンパスでの宣伝などを通じて奨学生が誕生する、という経験も生まれました。
全日本民医連の提起した方針を受け止め、奨学生を増やすことの意義を議論し全国の教訓を取り入れるなかで、活動が広がりました。そして、活動量が増えるなか担当者や医学生委員の医師が大奮闘したことが今回の前進の大きな力になりました。
(民医連新聞 第1670号 2018年6月18日)