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民医連新聞

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民医連奨学生に 聞く! 社会をより良くしたい ずっと民医連にいたい

 なぜ民医連の奨学生になったのか―。各地の医学部奨学生に聞くシリーズ七回目は、沖縄民医連の奨学生、千々和可怜さんです。「社会をより良くしたい」との思いを持ち、医学生のつどいの代表を務めるなど積極的に活動しています。
 (土屋結記者)

 高校生まで沖縄で育った千々和さん。県外に強いあこがれがあり、大学は沖縄を離れ、ひとり暮らしをしています。
 三月下旬の後期日程で合格したため、バタバタと引っ越し準備をすすめつつ、奨学金制度も探すことに。「合格が決まるまで、民医連とのつながりは無かったんです。祖父が沖縄民医連とつながりがあって、民医連の奨学金を見つけてきてくれました」。すぐに説明を聞き、実習や奨学生活動として日本全国、いろいろなところで医学以外も含め学べることに興味が湧きました。「とても楽しそうで、奨学金を受けることを決めたんです」。

■社会に貢献したい

 医師を目指したきっかけは、奨学生の頃に見た難病の患者さんのドキュメンタリー。人の役に立ちたい、と医師にあこがれました。
 医師になるため、実家から離れた中学校を受験。見事合格しましたが、母子家庭で裕福とはいえず、経済的には厳しい状況。「お金さえあれば、行きたい学校に行けるのに…って」と千々和さん。奨学金で学費を工面するなら、と母親と約束し中高一貫の学校に通いました。
 医師になる強い意志があった千々和さんですが、高校生の頃、迷いが生じます。「医師は病院に来た人たちしか治療できない。もっと広く社会に貢献できないか」と考えたからです。「そんな風に考えたのも、自分が経済的な理由で困った経験があったから。同じ経験をする人が減ってほしいと思っていたんです」と、千々和さんは当時を振り返ります。
 悩みながらの医学部受験だったため、順調にはすすみませんでした。しかし、これがよい方向に働きました。浪人中に医師の仕事についてよく調べてみると、公衆衛生や社会医学など、人の病気だけでなく生活を見る分野があることを知りました。すっかり悩みも晴れ、医学部に合格。医学の勉強に苦労しつつも、幅広く社会について学ぶよう励んでいます。

■つどいで事務局を担当

 「ずっと民医連にいたい」と話す千々和さん。医師として働きながら、様々な方法で社会にアプローチしている現役医師に多く出会ったためです。
 三年生から医学生のつどいの事務局を担い、二〇一七年度は代表も務めました。「つどいでいろんな先生の話を聞いて、いつも感動しています。つどいは、自分をひとつ上の段階に引き上げてくれる、そんな存在です」と、医学生のつどいの魅力を話します。
 同じ医学生たちにも魅力を感じています。熱い気持ちをもった、同じ事務局メンバー。つどいに参加する中で成長する参加者。「事務局になったことで、学生一人ひとりの成長に貢献できたかな、とも思います。もっと仲間が増えてほしいです」。

*    *

 「科はまだ決めていませんが、ずっと病院にいるのは性に合わないし、いろんなところに行っていろんな人に出会いたい」と千々和さん。「子どもから高齢者まで、幅広く診る医師。『自分の人生の中で一番お世話になったのは千々和先生』と言われるような、皆に頼られる医師になりたいと思っています」。

(民医連新聞 第1666号 2018年4月16日)