宮城 県連が災害公営住宅を訪問調査 家賃の支払い、生活「苦しい」
昨年9月30~10月1日、宮城民医連は「災害公営住宅訪問調査」を、職員と共同組織のべ190人超で行いました。塩竃市、多賀城市、七ヶ浜町、利府町、東松島市、仙台市の4市2町1775軒を訪問。入居者の要求や課題を把握し支援活動につなげることを目的に2016年から毎年行っています。対話は407件。473件の調査票(うち郵送241)を回収しました。
回答者の年齢は70歳以上が5割(県の調査でも災害公営住宅入居者の5割が65歳以上)。70歳以上では独居が4割超、独居か二人世帯は8割、と高齢者世帯が多い。
「治療の必要な病気がある」7割のうち約1割が通院しておらず、理由は「経済面」と「仕事」が多い。「医療費が心配で受診を控えたことがある」は2割。被災者の医療費窓口負担免除については6割が「継続・維持してほしい」と回答。
また、1割に「要介護」状態の家族がおり、うち3割が「介護サービスを控えたことがある」。70歳以上の独居高齢者に絞るとサービス手控えの経験は6割にもなった。
複数回答による生活上の不安は「健康」がトップ、ついで「将来の家賃」「収入」の順で、昨年から「家賃」と「収入」が逆転した。
収入に応じて決まる災害公営住宅家賃の支払いが「大変苦しい」「やや苦しい」は計4割超。生活が「大変苦しい」「やや苦しい」の合計は5割を超えた。入居6年目から家賃値上げが始まることへの不安の声が多い。また2割が入居後すでに家賃引き上げを経験していた。経済的負担感の強い層ほど相談する人がいない傾向も。
(民医連新聞 第1662号 2018年2月19日)