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民医連新聞

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書き損じハガキで国際協力をしよう 世界で人道支援を行うJVCが呼びかけ

 書き損じたり、出しそびれた年賀状が残っていませんか? こうしたハガキを使って国際協力ができます。「書き損じハガキがどうして役に立つの?」。ハガキの提供を呼びかけているNGO・日本ボランティアセンター(JVC)を訪ねました。(丸山聡子記者)

 JR秋葉原駅から徒歩数分にあるJVCの事務所。一月初旬に取材で訪れた日は、三人の女性がボランティアに来ていました。この日は、『いつでも元気』一一月号に掲載されたJVCの記事を見た読者から届いたハガキを仕分け。使用済みのものが紛れてないか確認し枚数を数えます。すでに一六〇〇枚以上が届いていると言います。

■不要のハガキが活動費用に

 不要のはがきが活動費になる仕組みはこうです。書き損じハガキや使わなくなったハガキ(未使用、未投函のもの)は郵便局で所定の手数料を払えば、切手に交換できます。それをJVCの通信費に使えば、その分、他の活動費に充てられます。交換した切手を換金もできます。
 「書き損じハガキ」はボランティアの人たちのアイディアから生まれ、昨年から呼びかけを始めました。担当スタッフの仁茂田芳枝さんは、「一人数枚ずつでも、知り合いや職場などで呼びかけて、まとめて送ってもらえると、大きな力になります」と説明します。

■11カ国で命つなぐ支援

 JVCは現在、世界一一カ国で活動しています。紛争地や災害現場への緊急支援から、避難生活が長期化する地域への医療・教育や平和構築への支援を行っています。また、現地での活動にもとづいた政策提言も行っています。
 「例えば…」と仁茂田さんが紹介してくれたのが、アフリカ・南スーダンへの支援について。二〇一一年に独立を果たした「世界でもっとも若い国」ですが、その後も国内で戦闘状態が続き、一六年からはさらに悪化。国外へ避難した難民は一八〇万人、国内避難民も二〇〇万人に(一七年五月)。国民の約半数の六〇〇万人が食糧支援を必要としており、急性栄養失調の子どもは一〇〇万人以上と言われています。
 JVCでは、一六年七月の首都ジュバでの大規模な戦闘の後、定期的に現地に入り、支援をしています。食糧や生活物資、医薬品などの緊急支援に続き、現在は、難民キャンプ内にある学校や幼稚園への支援も行っています。
 「学校」と言っても正規の学校ではなく、同じ難民である大人がボランティアで運営しているのが実情。現地からの求めでボランティア教員への研修を行っています。ノート一冊しか持って来られない子、それすらなくて通学できない子もいます。学用品の支援とともに、母親が安定して現金収入を得られるように生計改善支援も検討中です。
 仁茂田さんは、「南スーダンは、独立前から長い間戦闘状態が続いていて、現地の人たちは戦争にうんざりし、疲弊しています。街角で『戦争は飽き飽きだ!』というラップが聞かれるなど、平和を求める声が様々な形で人々から上がっています。日本では自衛隊の撤退以降、南スーダンの報道はほとんどありませんが、ぜひ多くの人に知ってもらいたいです」と話します。

■発信にも注目を

 JVCでは、現地駐在員が帰国した際など、定期的に報告会を行っています。昨年一二月には、パレスチナ情勢の緊急報告会を開きました。アメリカのトランプ大統領がエルサレム(キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の聖地が集まる)を「イスラエルの首都だ」と一方的に発言して以降、緊迫した状態が続いています。当日は、パレスチナの一般市民とスカイプでつなぎ、パレスチナの人たちの思いや実態を聞きました。
 こうした紛争地や難民の実態を伝える活動とともに、JVCでは、様々なやり方で国際協力ができるよう工夫しています。
 例えば、海外で活躍するカメラマンの協力でカレンダーを作成・販売したり、チャリティーコンサートを企画したり。
 「JVCのホームページでは、各国での活動の様子をリアルタイムで伝えたり、様々なイベントやボランティアのお知らせもしています。ぜひのぞいてみてください」。(仁茂田さん)


事業所にハガキの回収BOXを!

ハガキでできること
■62円ハガキ20枚…封鎖が続くパレスチナ・ガザ地区で、子どもの栄養失調を防ぐための研修に1人の母親が参加できる
■年賀ハガキ10枚…南スーダンの避難民キャンプで、子どもたちが学校に通うための学用品2人分を支援できる
〈送り先〉
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4
 クリエイティブOne秋葉原ビル6F
JVC(日本ボランティアセンター)

民医連ハガキ担当

■問い合わせ 03(3834)2388
※回収BOX用のチラシがあります。JVCに直接申し込みを。使用済みハガキ、消印が押してあるハガキは無効です。

(民医連新聞 第1660号 2018年1月22日)