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民医連新聞

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国会に4万人 対話と署名広げ“聞く耳もたない首相”の改憲止めよう

 一〇月の総選挙で自民・公明両党が三分の二の議席を確保し、改憲に前向きな議員は全体の八割になりました。一方、世論調査では、安倍首相がめざす「九条に自衛隊を明記」は賛否が分かれ、いずれも半数に至っていません。危険な改憲内容を知らせ、「憲法守ろう」の世論を広げることが必要です。一一月三日、九条改憲をとめようと全国でアクションがあり、「安倍改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名」(通称・三〇〇〇万署名)への決意も語られました。

「改憲NO」の声を多数に

 この日は七一年前に日本国憲法が公布された日。国会周辺には四万人が集まりました。立憲民主党・枝野代表、日本共産党・志位委員長、社民党・福島副党首があいさつ。「国会内外で手を結び、立憲主義を取り戻そう」「九条改憲は許さないという国民の声が多数になれば、安倍政権は改憲発議はできなくなる。三〇〇〇万署名を集めきろう」などと訴えました。自由党・小沢代表はメッセージを寄せました。
 鎌田慧さん、落合恵子さんに続き、ノーベル平和賞受賞が決まったICAN国際運営委員の川崎哲さん(ピースボート共同代表)がスピーチ。「北朝鮮に対してやるべきことは、核兵器禁止条約に自ら署名した上で北朝鮮にも批准を求めることだ。それもせず九条も変えれば、将来戦争をするという宣言と同じだ」と批判しました。
 韓国で朴槿恵政権退陣の運動にかかわった金泳鎬(キムヨンホ)さんも駆け付け、「戦後の誓いである九条を変えれば、戦前のファシズム国家の復活という印象を他国に与え、際限ない軍拡競争を招く。皆さんの運動はアジアと世界の平和を守る運動だ」とエールを送りました。

「武力」の反対は「対話」

 後半は、国会正門前、議員会館前、国会図書館前の三つのステージごとにスピーチが続きました。
 元最高裁判所判事の濱田邦夫さんは、「改憲を許せば、“普通の国”どころか戦前の日本に戻り、国民の自由が制限される。私は九歳で終戦を迎えた。戦争は阻止しなければ」と語りました。埼玉大学名誉教授の暉峻淑子(てるおかいつこ)さんは、旧ユーゴの難民支援の経験を紹介し、「世界のために日本がやるべき仕事は憲法九条を守ること。武力の反対は対話。署名にとりくみながら、ぜひ自分の考えと違う人とも対話を」と呼びかけました。
 東京・北多摩生協診療所の大橋陽子さん(事務)は、民医連職員の夫・広樹さん(事務)と五歳の息子と参加。「総選挙の開票番組を見ていたら、息子が『どうして戦争したいの』と。子どもも『ケンカした時は叩かずにお話する』と知っているのに」と話しました。
(丸山聡子記者)


3000万署名 全力でとりくむ

―国会図書館前ステージ

 国会図書館前にも多くの人が集まり、歩道から溢れるほどに。民医連職員や共同組織も各地から参加し、「改憲反対」を訴えました。山梨から参加した向山憲さん(事務)は、「選挙は良い結果にならなかったが、野党は共闘してがんばってほしい。今日は地元駅前でも宣伝をしている。これからもがんばる」。東京の大野聡美さん(事務)と日向寺麗奈さん(介護士)は、「憲法を学ぶ場に来る人が増えた。今後も参加しやすい企画を開いて、多くの人に憲法を学んでほしい」と話しました。
 ステージでは、「たたかうテーマは『九条加憲』とはっきりした」(香山リカさん・精神科医)、「改憲には多くのハードルが。運動を広げハードルを高くし、阻止しよう」(五十嵐仁さん・法政大名誉教授)の訴えに続き、全日本民医連の藤末衛会長もあいさつ。衆議院選挙で改憲勢力が多数を占めたことに触れ、「改憲発議、国民投票を止めるのが三〇〇〇万署名。私たち民医連も全力でとりくむ」と訴えました。杉浦ひとみさん(弁護士)、植草一秀さん(経済学者)などもあいさつ。最後に、参加者全員で「憲法守れ」「九条改憲、絶対反対」と国会に向けコールしました。(土屋結記者)


学習DVDが完成

「9条守る」の声集めきろう

 全日本民医連は安倍政権が狙う改憲の内容を学ぶDVDを作りました。今月下旬には県連に届く予定です。行動の力にしてください。
 また、民医連新聞号外「MIN-IREN憲法Cafe」の全号分のPDFが全日本民医連のホームページからダウンロードできます。
 「安倍9条改憲NO! 全国市民アクション」実行委員会がとりくむ3000万署名は、来年5月末までに集めきる予定です。民医連の目標は300万筆です。
 安倍政権は年内にも自民党改憲案をまとめ、年明けからの通常国会で改憲発議→国民投票を狙っています。「安倍改憲NO!」の意思表示となる署名が広がることが、改憲発議を止める最大の力です。

(民医連新聞 第1656号 2017年11月20日)