国保都道府県単位化で 厚労省交渉 中央社保協
二〇一八年四月から国民健康保険(国保)は、財政運営の責任を都道府県に移管し、運営は都道府県と市町村が役割分担する「都道府県単位化」に移行します。
国保料や移行で要望
一一月一日、全日本民医連も加入する中央社会保障推進協議会(社保協)は、国保都道府県単位化について厚労省に要請を行いました。厚労省からは、国民健康保険課課長補佐、同企画法令係から三人が対応しました。
主な要請項目は、「高すぎる国保料(税)の引き下げと、国庫負担引き上げ」、「都道府県の試算内容や、国民健康保険運営方針についての説明」、「国保料(税)引き下げのための一般財源からの繰り入れ継続と、繰り入れが可能であることの市町村への周知徹底」、「準備の進んでいない都道府県もあり、二〇一八年四月の移行は延期にすること」など。
今でも高すぎる国保料(税)は加入者にとって健康や生活に関わる切実な問題です。民医連の「経済的事由による手遅れ死亡事例調査」でも、国保保険料が払えず尊いいのちを奪われた事例が寄せられています。
行き過ぎた滞納・差押処分も問題です。多くの自治体の試算で、国保料(税)値上げとの結果が報道されています。そもそも政府が大幅に削減してきた国庫負担の引き上げは急務ですが、同時に、これまで各自治体が一般会計から繰り入れして保険料引き下げの努力をしており、制度移行後もこの繰り入れは可能であることを市町村に対し通知し、徹底してほしいと強く要請しました。
厚労省は、「試算公表等、最終的には都道府県の判断。繰り入れの通知については持ちかえる」と回答し、実施の明言は避けました。
国保は国民皆保険制度の根幹をなす社会保障制度であり、その立場を堅持するよう、中央社保協は引き続き厚労省に要請を行っていくことにしています。
(民医連新聞 第1656号 2017年11月20日)
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