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民医連新聞

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ドクターズ・デモンストレーション 各政党に聞く 保健・医療・介護政策

 七月一五日、医師・歯科医師による医療再生をめざす運動、ドクターズ・デモンストレーション、「講演と各政党に聞く“保健・医療・介護政策”」(主催:同実行委員会)が東京で開かれ、一五〇人が参加しました。
 集会では、千葉大学の近藤克則教授が、「健康格差社会への処方箋~健康疫学のエビデンスに基づく保健・医療・介護政策」と題して講演しました。近藤さんは、「健康格差対策には、その発生プロセスの解明が重要で、原因は成人期の自己責任ではなく、小児・出生・妊娠期、さらには祖父母にまでさかのぼる」と指摘。また、地域づくり事業でボランティア参加をきっかけに生活が活性化し、介護認定抑制結果が得られた実践も紹介。「経済成長重視派にこそ社会保障拡充の効果を知ってほしい」と訴えました。

財源論から共闘まで

 続いて民進・共産・自由の各政党国会議員を交えてシンポジウムを行い、社会保障の財源論から政治を変える野党共闘まで意見を交換。
 近藤さんは、ソーシャルキャピタル(人々のつながりの重要性を説く概念)の三段階仮説を引用し「(1)似た者同士の排他的な島ができる、(2)島と島を橋渡しするつながりができ情報交換や協力をする、(3)権力とつながりさらに安定する―のうち、市民と野党の共闘は(2)の段階。ぜひ、(3)政権をとり、この仮説を実証してほしい」と結びました。
 参加者には医学生もいました。東京民医連奨学生の古庄菜穂さん(五年生)は「全世代の健康格差の拡大を、学術、実地の両面から認識し、原因の原因のさらに原因まで突き詰めることが大切だと大変勉強になった。病気を治すだけでは医師の役割を全うしていないと感じた。医療は政治と無関係ではなく、国民の健康を守る医師として政治の行く末も見極めることが大切。今後も、医療活動だけでなく、HPHや公衆衛生の講演、社会運動にも積極的に参加したい」と話していました。

(民医連新聞 第1649号 2017年8月7日)