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民医連新聞

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こたつぬこ先生の社会見学~3.11後の民主主義 (4)「未来のための公共」にむけて

 6月18日、史上最悪といえる通常国会が閉幕しました。森友・加計という前代未聞のスキャンダルに追い詰められた安倍政権は、治安維持法の再来の共謀罪法案を、戦後積み上げられてきた民主的な国会の慣行を根底から破壊しながら強引に可決し、「疑惑隠し」のために国会を閉じました。しかし、政権への国民の不信は急速に広がっています。本紙が発行される頃には、東京都議会選挙で自民・公明に厳しい審判が必ず下っています。
 こうした暴挙がまかり通る一方で、安倍政治に対抗する「未来のための公共」が誕生し、国会議事堂前で毎週抗議を続けてきました。第二次安倍政権発足後の国会議事堂前は、特定秘密保護法や安保法制など、安倍政権の悪法に抗議する数多くの人々が集まる場になってきました。その流れをくむ新しいグループが生まれたのです。
 この「未来のための公共」は、2015年の安保法制反対運動で活躍したSEALDsに似た、大学生中心のグループです。安保法制反対運動を高校生の時に目の当たりにした世代の1年生から3年生。メンバーの多くはこれまでデモや集会経験はほとんどなく、試行錯誤しながら、2月以降毎週金曜日に国会前で抗議集会を開いてきました。こたつぬこは彼らを少しだけサポートしていました。彼らはみるみる成長し、知らぬ間に学生メンバーがどんどん増え、国会最終盤に7000人が集まった集会では、見事なスピーチをしました。
 「未来のための公共」のたたかいは、これからも続きます。抗議最終日の6月15日、彼らはこのような「宣言」で締めくくりました。
 私たちの未来は、私たちで決めていきましょう。私たちは、政治に関して未熟ではあるけれど、おかしいことにはおかしいと言うべきだと考え、国会前に足を運び、声をあげ、自分の言葉を紡いできました。一緒に政治を変えましょう。一緒に、次世代に堂々と受け渡せる社会を残しましょう。適切に批判もしつつ、共に立つ立憲4党を、メディアを応援しましょう。日本国憲法に刻み込まれた理念を擁護し、共に理想に賭けましょう。
 そして、この国・社会で生活し、未来に新しい世代を待つ世界に生きる1人として、自民党改憲草案を止めましょう。これ以上の国家の私物化を許す道理はありません。なるほど、元はといえば、安倍政権を選択したのも私たち自身です。それなら、私たちの手で、安倍政権を終わらせましょう。この時代、この場所から改めて、上から一方的に押し付けられる「公」なんかじゃない、今、私たち自身の足元から未来のための「公共」を、私たちで立ち上げましょう。
 これは新しい「始まり」です。

こたつぬこ:本名は木下ちがや。政治学者。7/21に大月書店から『ポピュリズムと「民意」の政治学:3・11以後の民主主義』発売! Twitterアカウント @sangituyama

(民医連新聞 第1647号 2017年7月3日)