「共謀罪」強行採決 監視社会に道ひらく 廃止にしよう
六月一五日、参議院本会議で「共謀罪」(「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法)法案が可決・成立しました。 法案の内容が国民の内心を取り締まる、戦前・戦中の「治安維持法」と同じような人権弾圧法である問題に加え、採決のために、自民・公明の与党と維新の会は、異常な国会運営を行いました。
異常な国会運営
参院法務委員会で審議を打ち切り、本来は必要な委員会での採決をせず、秋野法務委員長の「中間報告」をもって本会議での採決に持ち込むという手段をとり、強行したのです。国会法では委員会審議を省略できるルールがありますが(五六条)「特に緊急を要するもの」に限られています。この通常国会には、該当しません。安倍首相には、森友学園に続く加計学園の獣医学部新設をめぐり、土地確保や認可を不当にすすめた疑惑がかけられており、その追究を逃れるための運営でした。
民主主義を逸脱した運営や、疑惑を否定しつつその解明に向かおうとしない安倍内閣の姿勢に国民の批判が集まり、下図のように各社調査で内閣支持率が急落中です。
民医連は抗議
全日本民医連は同日付で会長声明【自民・公明・維新による憲法違反の共謀罪法案強行採決に対し、満身の怒りをこめて抗議する】を発表。「憲法違反の人権侵害法を成立させた蛮行に対し、満身の怒りをこめて抗議」しています。
なお、声明は、国会審議でも、共謀罪が「一般人」も対象となることが明らかになり、同法は二〇一三年の秘密保護法、一五年の戦争法に続いて「海外で戦争する国づくり」に向けた憲法違反の法整備だと指摘。「きたるべき国政選挙で、自民・公明・維新など憲法破壊の諸政党を少数においこむために力を尽くすとともに、共謀罪法の廃止へ向け、全力でたたかう」と表明しました。
(民医連新聞 第1647号 2017年7月3日)