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民医連新聞

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民医連奨学生に聞く! 「患者さんをハッピーに」理想の医療が実現できる 神奈川民医連 田中利昌(たなかとしまさ)さん(4年生)

 なぜ民医連の奨学生になったのか―。各地の奨学生に聞く連載。2回目は、神奈川民医連の田中利昌さんです。高校生1日医師体験で民医連に魅力を感じて奨学生になりました。奨学生活動を通じ、仲間を増やすことも意識しています。(土屋結記者)

“医療”を学べる

 田中さんが医師になろうと考え始めたのは中学三年生のころ。「スーツを着ない仕事」と、漠然とした考えでした。ただ、血を見るのが苦手で家族から心配もされましたが、テレビなどで医師の仕事を見るうち、思いが強くなりました。
 高校二年生の時、担任から実際の現場を見ることをアドバイスされ、医師体験の受け入れ先を探すことに。しかし、どこも募集は終了。唯一、神奈川民医連が受け入れてくれました。
 医師体験では訪問診療にも同行。診療所に戻ると、別の在宅管理の患者宅から連絡が。入院のため、桑島政臣医師(川崎医療生協理事長)が患者を迎えに行くのにも同行しました。「病院で待つんじゃなくて、わざわざ家まで行くの!?」。田中さんは驚きました。
 さらに、患者宅に歩いて向かう途中、地域の人たちが医師に気軽にあいさつします。「こんなに患者さんと距離が近いなんて」。それは田中さんが思い描いていた医師の姿でした。
 合格し、神奈川民医連がお祝い会に呼んでくれました。そこで、先輩の奨学生から「民医連の奨学生活動では、“医学”でなく“医療”を学べる」と聞きました。社会問題を学んだり、実習で患者と関わることを「欠かせないことだと感じました。大学で学べないなら、参加したいと思ったんです」。奨学生を決意しました。

Happyを追求

 志望は小児外科。初めて出た奨学生ミーティングで、日本の子どもの貧困問題に衝撃を受けたことも影響しています。
 また、そのミーティング後に、川崎協同病院の和田浄史医師から「患者さんのHappyのために」と、柔軟な発想で患者の思いに寄り添っているとの話を聞きました。“患者のための医療”という理念を掲げる病院はいくつもありますが、「様々な職種が連携しつつ、それを本当に実現しようとしている。本物の医療をしていると感じました」と田中さん。
 理想の医師像は「患者さんのHappyを最後まで追求し、そこにやりがいを見いだせる医師」。「患者さん全員の要望を叶えられないからといって、どの要望にも応えない、というのは理不尽な平等だと思う。少しでも元気になるなら、タイミングを逃さず、タブーを作らず、患者さんのためになることをしたい」と語りました。

仲間は多い方がいい

 奨学生になった当初は少人数の参加しかなかった県連の奨学生活動も、徐々に増えてきています。「ひとりで学ぶには限界があります」と田中さん。すぐ奨学生にならなくとも、いっしょに活動する仲間を増やしています。「民医連の医療をもっと広められます。そのことでもっと多くの人をHappyにできますから」と。医学生担当の職員に協力したり、共同組織の班会にも参加するなど、積極的に伝えています。
 「僕の志望科では、いずれ民医連を離れることになるかも…。たとえ離れても、患者さんを通じてつながりたい。それに、どこに行っても民医連で学んだ医療を絶対にやりたいし、広めたい」と語っています。

(民医連新聞 第1644号 2017年5月22日)