「無差別・平等の地域包括ケア」すすめよう まちづくり・共同組織委員長会議ひらく
全日本民医連は二〇一六年度まちづくり・共同組織委員長会議を二月四~五日、東京都内で開きました。県連共同組織委員長や法人・事業所で共同組織を担当している責任者など、三二県連から一二八人が参加しました。
問題提起では、社会保障費抑制を主な目的とする国の「地域包括ケア」に対し、「無差別・平等の地域包括ケア」を実現するとりくみを共同組織とともにすすめようと確認。今年四月から全市町村が新総合事業に移行予定であり、介護保険から切り捨てられる人をささえるとりくみと同時に、国や自治体の公的責任の放棄を許さずたたかうことの必要性などが強調されました。
記念講演では、岐阜大学・竹内章郎教授(社会哲学)が、現代における新自由主義や自己責任論と優生思想の結びつきを指摘しました。
つづくパネルディスカッションでは、埼玉県幸手市を中心に活動するNPO「元気スタンド」の小泉圭司代表や、石川県健康友の会連合会の藤牧渡会長が活動を報告。きょうされんの小野浩常任理事は、障害者団体の立場から、障害者の貧困や、六五歳になったとたんに「介護保険優先」の原則が機械的に適用されて自治体が障害福祉を打ち切る例が多く発生している問題などを告発しました。
分散会も行い、二日間を通じて「自分たちの中にもある他者との分断について考える必要がある」「活動に自信を持ち、共同組織とともに知恵を出してすすむことが大切」などの討論がされました。(多田重正・全日本民医連事務局)
(民医連新聞 第1638号 2017年2月20日)