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民医連新聞

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こころの健康 (10)「きく」ポイント 代々木病院EAPケアシステムズ・臨床心理士 森優貴

 前回に引き続き、同僚や部下など周りの人のストレスに気づき、サポートするコツをとりあげます。ポイントは「(1)みる→(2)きく→(3)つなぐ」でしたね。今回は、「きく」ポイントについてです。
 身近で困っている人がいた場合、どのようにコミュニケーションをとれば良いでしょうか。キーワードは「積極的傾聴」(相手の立場に立って話を聴くこと)です。3つのポイントについてご紹介します。
 1つ目は、「目と耳から伝わる態度で聴く」こと。まず、相手と適度に視線を合わせて「あなたの話をきちんと聴いているよ」と相手に伝わる姿勢を整えましょう。また、自分がリラックスした状態で臨むこと、相手との距離、うなずきも大切です。適度にあいづちを打ち、相手の言葉を繰り返しながら聴くと、相手は「きちんと聴いてもらっているな」と感じ、気持ちよく話せます。特に、気持ちを表す言葉(悲しい、つらいなど)が出てきたら、「つらかったんですね」などと繰り返しながら聴くと効果的です。
 2つ目は、「最後まで聴く」ことです。同じ話が繰り返される場合も、「何度も繰り返したいくらい、伝えたいことなんだな」「大変な思いをして、混乱しているんだな」と受け止めましょう。あらかじめ時間を決めて話を聴き始めると、聴く方も気持ちが楽になります。
 3つ目は、「受容する」こと。受容とは、相手の立場に立って話を聞き受け入れることです。ただし、相手の話題に無理に同意する必要はありません。聴く側の価値観は横に置いておき、どんな内容でも「あなたにとってはそうなのね」という構えで受け止めましょう。
 コミュニケーションでは、相手の話に関心を持って聴く気持ちが大切です。紹介した3つのポイントを意識すると、その気持ちが相手に伝わりやすくなります。まずは、最も身近な家族や友人とコミュニケーションして練習してみましょう。そして、同僚や部下など周りの人へのサポートに役立てて下さい。
 次回は、3つ目のコツ「つなぐ」ポイントをお話しします。

※参考:洗足ストレスコーピング・サポートオフィス

(民医連新聞 第1636号 2017年1月23日)

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