こころの健康 (8)睡眠 代々木病院EAPケアシステムズ・臨床心理士 三浦文華
毎日の睡眠はうまくとれていますか? ぐっすり眠れているでしょうか? 睡眠の重要性は、みなさんご存知だと思います。
睡眠不足や不眠は、病気のリスクを高めたり、生活や仕事に影響することが分かっています。また、第2回(5月2日付)でも書いたように、「ストレス反応」の1つとして睡眠に問題が出ることもあります。みなさんのなかにも、仕事が大変な時期に、仕事が気になってぐっすり眠れず、翌日に響いた経験があるという方がいるかもしれません。
睡眠に関わる病気や、睡眠問題の原因は多種多様です。仕事のストレスが原因になっていることもありますし、身体疾患が原因のこともあります。睡眠で困っている場合は、習慣の問題か、病気なのかを区別して対策を立てることが重要です。睡眠の問題が長引いていたり、習慣を変えるなどの工夫をしても変わらない場合には、受診してみてくださいね。
では、習慣が問題の場合、どのようなことに気をつけると良いのでしょうか。不眠に悩んでいる人によくある習慣があります。(1)眠れないのに横になって休んだり、まだ眠くないのに布団に入る(眠れないことを気にする時間が長いとかえって不眠を悪化させます。寝つきやすい時刻は体内時計で決まっています)、(2)昼寝が長すぎる(長い昼寝は睡眠ニーズを減らします)、(3)眠るために飲酒する(寝つきは良くなりますが深い睡眠が減ります)などです。それぞれ問題があります。それぞれについて、(1)ちょい遅寝、ちょい早起きをする、寝室やベッドの上では読書など睡眠以外のことをしない、(2)昼寝は20分以内にする、(3)眠るための飲酒は控える、こういった切り替えが有効です。
前回(10月3日付)紹介したリラクセーションを寝る前に行うこともお勧めです。また、ストレスが影響していそうな不眠には、睡眠習慣の改善に加え、ストレッサーへの対処を考えて実行してみましょう。
この連載では、今回まで「自分のこころを整える」ための情報を提供してきました。みなさんの生活に役立ちそうなことが1つでもあれば何よりです。
来月からは、同僚や家族など周りの人の不調にどう対応するか、考えていきます。
(民医連新聞 第1631号 2016年11月7日)
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