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民医連新聞

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憲法・いのち・社会保障まもる10・20国民集会 “社会保障の改悪絶対に止める” ――3000人が日比谷に

 「いつでも笑顔で働きたい!」「安心できる医療がしたい!」。ラップ調のコールが響きます。一〇月二〇日、「憲法・いのち・社会保障まもる一〇・二〇国民集会」が東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、全国の医療・介護労働者や患者・利用者など三〇〇〇人が集まりました。(丸山聡子記者)

 集会は、社会保障の充実や医師・看護師・介護職員の増員と処遇改善、戦争法廃止などを掲げて、医療団体や労組などで作る実行委員会が主催。全日本民医連も参加し、毎年開催しています。

『下流老人』の藤田さんも

 日本医療労働組合連合会(医労連)の中野千香子委員長が主催者あいさつ。冒頭、新潟県知事選で「命を守り抜く」と掲げた医師の米山隆一さん当選を喜び合いました。また、「TPPが批准されれば、医療はお金のある人しか受けられなくなる」と指摘しました。
 NPO法人ほっとプラスの代表で『下流老人』著者の藤田孝典さんが記念講演。「お金が払えなくて重症化してから受診したり、介護が受けられない人が大勢いる。社会保障制度の改悪をすすめれば、医療・介護が必要な人の命はさらに切り縮められる」と危惧。「社会保障は運動で前進してきた歴史がある。国民の一六%が貧困というのは異常な事態。憲法二五条、一三条から生活を立て直す先陣を切ろう。バックには市民の声がある」と呼びかけました。

現場の声つぎつぎ

 五人がリレートーク。保団連の武村義人副会長は、医療費が払えず三カ月に一度しか検査ができない糖尿病患者の事例を紹介しながら、貧困の広がりが医療抑制につながっていると告発。医療費負担増反対を求める署名に六七〇〇の医療機関がとりくみ、かつてなく広がっていると紹介しました。
 「大気汚染による慢性気管支炎やぜん息の公費助成制度は一部の自治体にしかない。全国一律の助成制度を」(公害患者)、「一〇年間で手取りは一万円しか上がっていない。定年まで働いても月二〇万円に届かない。処遇改善と保育の充実を」(保育士)、「低処遇と多忙で専門性を発揮できない。当たり前に働ける介護報酬を」(介護職)、「現場の手が足りず、患者さんを抑制しなければならないことも。看護師を大幅増員し、抑制せずに看護したい」(看護師)などの発言が続きました。
 大きな拍手を受けたのは被災地・熊本の参加者。支援に感謝し「生活再建にはほど遠い。引き続き支援を」と呼びかけました。
 看護師で元民医連職員の倉林明子参院議員など日本共産党の国会議員六人が連帯あいさつ。
 白衣姿で参加したみなと医療生協(愛知)の看護師・大瀧弘子さんは、「介護職や保育士の処遇の劣悪さに驚きました。看護の現場でも、人の役に立ちたいと看護師になったのに、燃え尽きて辞める人がいます。命や人権を守るためにも医療や福祉で働く人を増やしてほしい」と話していました。

*    *

 集会後、実行委員会は社会保障の拡充を求める要求書を厚生労働省の橋本岳副大臣に提出。「医療・介護の負担増をやめ、患者・利用者・国民負担を大幅に軽減する」「医師、看護師、介護職員、保育士などを大幅増員し労働環境を改善する」「二〇二五年の必要病床数において推計方式を抜本的に見直す」などが要求項目。全日本民医連から山田智副会長、山本淑子事務局次長が参加しました。

(民医連新聞 第1631号 2016年11月7日)