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民医連新聞

民医連新聞

第13回全日本民医連 共同組織活動交流集会in東海・北陸 地域にねざす共同組織 悩み、工夫、経験を交流 27の分科会で256の発表

  交流集会の2日目は分科会。憲法と平和、まちづくり、健康づくり、組織拡大、事業活動など7テーマ、特別分科会、動く分科会を合わせ計27の分科会で256演題を活発に交流しました。

「強み」知らせ自治体と協力

第2分科会「いのちを守るとりくみ、自治体への働きかけ」

 自治体との協力も探りつつ、高齢化や貧困などに立ち向かう経験九本が報告されました。
 医療生協さいたまは、地域包括ケアシステム構想を意識し、行政区・生活圏域単位に地域を編成する「ネットワーク地区制」を開始しています。そのうちの一つ、県南地域では、一六自治体と懇談し「見守り協定」を結んだり(現在は四自治体)、介護の総合事業の進捗状況を把握。協議体に参加する支部も誕生しています。ヘルスコープ大阪も、与党「維新」のくらし切り捨て政策に抵抗しつつ防災や地域包括ケアへの対応などを積極的にすすめていると報告。「地域にとけあう組織になりたい」と報告者の藤原一郎さん。
 支部のたまり場での講師を行政機関や老人会などの地域組織に依頼し、つながりを深めているのは大阪・医療生協かわち野。
 福祉制度や利用料・保険料の減額制度を活用し、相談活動を行って十数年という船橋二和病院健康友の会のとりくみには、関心が集中。機関紙での制度紹介や税申告時期の学習相談会、毎月続けている待合でのなんでも相談会など、「真似したい」という声もあがりました。
 ほかに、市バス削減などへのたたかい(大阪)、高齢施設づくり(岐阜)、友の会役員が無料低額診療事業を学ぶ(京都)、高齢会員への「お元気ですか訪問」など、いのちや暮らしを守る知恵が集まりました。

地域の要望聞き、活動広げる

第3分科会(4)「安心して住み続けられるまちづくりのとりくみ」

 災害時の活動や地域の居場所づくり、公共交通や自然を守るとりくみなどを一一人が発表しました。福岡・ありあけ健康友の会の北岡恭子さんは、寒波で断水した際、友の会と民医連職員で断水した地域を戸別訪問し、水を届けた経験を報告。地域とのつながりが強まったと語りました。地震のあった熊本にもっとも近い友の会としての救援活動も紹介しました。
 東京・城北健康友の会の和田辰雄さんは、病棟の師長会議で友の会役員が訴え、各職場を回り、職員の会員を増やしている経験を報告。質問が相次ぎました。
 バス路線の廃止や年金支給額引き下げなどの影響で病院にかかりたくてもかかれない人が増えていることを知った奈良・健生会友の会では、二〇一三年から送迎ボランティアを開始しました。NPO化も視野に入れて活動していると報告しました。京都・福知山健康友の会は、「バス減便で困っている」との声をきっかけに地域アンケートを実施し、行政やバス会社へ要請し、運交時刻改善を実現したと語りました。
 産廃建設計画を機に、計画に反対し、ふるさとの自然を守るとりくみを継続(岡山医療生協)、病院の庭づくりボランティアで生きがいも(東京・三多摩健康友の会)、職員とともに一軒ずつ地域訪問し、医療や介護への悩みを直接聞いた(熊本・水俣健康友の会)などの報告がありました。

拡大目標達成には楽しみも

第6分科会(5)「共同組織を強く大きくするとりくみ」

 目標設定の工夫やつながりを生かした仲間増やし、職員連携、活発な支部活動が九本、報告されました。
 十数年ぶりに仲間増やし目標を達成した! と報告したのは、東京・足立健康友の会。「職員との共同が課題だった」と発表者の北川秀和さん。具体的な行動を計画し職場に伝え、職員と一緒に拡大活動にとりくみました。
 二〇一二年から四年連続で仲間増やし目標を達成した、東京・城南保健生活協同組合の報告も。会員自身が目標を設定したことでやりきる気運が高まりました。「一度成功することで『次もがんばろう!』と好循環が生まれ、連続達成につながった」と、発表者の野口修二さんが秘訣を話しました。
 神奈川北央医療生活協同組合の竹内味里さんは「折り紙班会」を報告。折り紙をしながらのおしゃべりが活発で、「手や頭だけでなく、口の体操にもなる」と大好評です。
 「楽しくなければ友の会じゃない」がモットーの活動報告をしたのは、石川健康友の会連合会の越中敦子さん。「どなたでもご一緒に」を合言葉に、花見や月見といった季節の行事、たすけ愛活動、平和行進など幅広い活動をしています。また、職員との共同も大切にし、研修医が支部活動に参加し盛り上げている様子を伝えました。

「石川魂」を学び交流も

特別分科会「まるごと石川民医連と友の会」

 石川民医連の共同組織の歴史と活動を、講演やDVD、リレートークを聞いての質疑応答を通し、学びました。
 松浦健伸・石川民医連会長が「石川民医連と共同組織」と題して講演。一九四〇年代から始まった石川民医連と共同組織の歩みを振り返りました。権力が民医連診療所を不当につぶそうと次々と策動するなか、「診療所は自分たちのものだ」と地域の人たちと心ひとつに立ち向かいました。松浦会長は、「この共同の力が脈々と続き、現在の基礎となっている」と語りました。
 リレートークでは、石川県健康友の会連合会会長の藤牧渡さん、中能登支部の三浦善吉さん、能登町支部の田畑義機さん、南加賀ブロック責任者の中田一義さんが、それぞれの支部発足の経緯ととりくみを報告しました。
 討論会では、参加者から活動や仲間づくりのコツ、運用について積極的な質問があり、コメンテーターが回答しました。事業所の冠を外し、地域の住民組織として活動すること、孤立を生まない地域づくり、貧困、高齢化への対応…。全国の先進ともいえる石川の共同組織のとりくみの源流を学べる場となりました。

『生きがいとはなにか~まつもとていの誕生と軌跡~』 藤牧渡 著
 「生きがいセンター まつもとてい」の誕生は6年前。「生きがいがあれば、充足した人生を送ることができる」との信念のもとで続けられてきました。その中心である石川県健康友の会連合会の藤牧渡会長が、「まつもとてい」の苦労と喜び、出会いを綴った冊子ができました。頒価700円。交流集会でも大好評でした。

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申し込みはFAXで石川県健康友の会連合会金沢北ブロックまで
FAX 076(253)8254
※一般書店では売っていません。売上の一部は「まつもとてい」の活動資金になります。

(民医連新聞 第1628号 2016年9月19日)