憲法なう。(60) 違憲審査 その2
【違憲の判断は誰がする? 海外ではどう?】
日本国憲法八一条は、「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」と定めています。具体的な民事、刑事、行政事件が起きた時に、訴訟提起する上で、「そもそもこの違憲の権力行使のせいで人権が侵害されたのだ」と付随的に違憲審査を求める方法です。
これに対し、ドイツやイタリアなどヨーロッパ諸国では、通常の裁判所とは別の憲法裁判所が、具体的な事件とは関係なく「そもそもその法律(権力行使)は憲法に違反していないか」と審査をします。裁判所が行政(政府)からしっかり独立して監視しているかどうかが重要で、どちらがいいか悪いかの比較はできません。
明日の自由を守る若手弁護士の会
(民医連新聞 第1628号 2016年9月19日)
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